今回のテーマは「掃除機vsほうき」だ。みんな、あまりvsしないから忘れているかもしれないが、「戦い」というのは散らかる行為である。少なくとも、ほこりが立つし、服も汚れるかもしれない。当人同士が多少破損するのはいいが、周りの物が破壊されてしまうこともあるかもしれない。
よって、ドラゴンボールの登場人物でさえ、以上のことをおもんぱかって、早めに何もない荒野に移動するか、最初に街を破壊、つまり、「周りを片付けてから」ことに及んでいるのだ。Z戦士でも考慮できることなのに、なぜ片付ける側である掃除用具を戦わせるのか。
別に戦わせてもいいが、その後の後始末をするのは自分だし、後始末しようにも、掃除機もほうきもぶっ壊れている恐れがある。なぜなら、先ほど自分が戦わせたからだ。
よって結論としては、掃除用具は戦わせない方がいい。どちらかというと、協力しあうべきなのではないか。というわけで、我が家の美観を守る、イカれたメンバーを紹介しよう。
掃除機! ほうき! フローリング用ワイパー! コロコロ! それを使う夫!
以上だ。
私は部外者である。むしろ、イカれたメンバーたちの最終目標は、私を倒すことな気がする。つまり、ラスボスだ。部屋をキレイにするには、汚れの大元を退治するのが一番である。よって、私を抹殺するのに一番いい掃除道具は何か、という観点なら競わせることはできるかもしれない。
まず、扱いやすさで言えば、一番軽いフローリング用ワイパーではないか。ただし、軽量ゆえに攻撃力は低め、素早い動きでヒット数を稼ぐ必要がある。次にコロコロ。攻撃力はワイパーとさほど変わりないが、命中力を高めれば、その粘着力を生かし、髪の毛に当たればクリティカルヒットが狙える。
そしてほうき。材質によって攻撃力が違うので、選ぶ段階で目利きが必要。思ったよりダメージを与えられない時は、逆に持ち手で殴るなど、臨機応変さが求められる。
最後に掃除機。これは上級者向けだ。重量級の武器なので腕力がいる。長期戦や狭いところでの戦いは不利。攻撃をかわされた時、カウンターを食らうおそれあり。だが、パワーはピカ一。当たり所が良ければ、一撃必殺も夢ではない。
どれも、いいところもあれば悪いところがある。つまり、掃除用具は掃除するにしても武器にするにしても、状況によって使い分けるのがいいということである。
そして、うちにはもうひとつ、今は脱退したメンバーがいる。掃除ロボットだ。ルンバではないが、ルンバみたいなものである。少し前から、スイッチを入れてないのに勝手に掃除を始めてはすぐに停止。そして、「不具合出たぞ、何とかしろ」と言い続ける奇行を始めたので、今は電源を入れずに隔離している。
しかし、お掃除ロボというのは、掃除道具や家電の中でもふびんなものだ。以上の「奇行」も、ただの故障である。されど、お掃除ロボと言うのは、自動で掃除をするという性能ゆえに、人間から若干生きもの目線で見られてしまうのだ。
よって、ただの故障も「奇行」、さらには「お前わざとやってないか? 」という、人間を相手するのと同じような苛立ちを覚えてしまうのである。さらに、自動で掃除するという時点で、他の掃除道具より明らかに高性能にも関わらず、ちょっと段差で動けなくなっていたり、落下してひっくり返って停止していたりするだけで、「馬鹿じゃないのか? 」と、しつけに失敗した犬を見るような目で言われてしまう。
しかし、「うちのお掃除ロボは頭が悪い」と思ってるやつは、大体自分が悪いのだ。お掃除ロボというのは、障害物が少なければ少ないほどスムーズに動く。床に落ちている物が大きいほど、馬鹿っぽい動きをしてしまう可能性が高い。つまり、物が多い片付いてない家のロボほど馬鹿になるのだ。よって、お掃除ロボを起動させる時は、できるだけ床から物を撤去しておかなければいけない。
これは何かに似ている。「あらかじめ街を爆破してから戦うドラゴンボールのキャラ」だ。掃除の極意はZ戦士にある。