いよいよ今回の旅も、帰国の途に就く日がやってきました。

ラスベガスから成田への直行便はないので、いったんサンフランシスコを経由して、目的地 成田へと向かいます。ところがサンフランシスコで飛行機が2時間遅れ。やっと案内が来て、飛行機に乗り込んでみれば、行きにあったような座席背面の備え付けテレビとかが一切ありません。

これで10時間近くを過ごすのか……。

と普通なら思うところなんですが、Cintiq Companionがある今回はやっぱり違う。「やることないんだったら、日本に着いてからのんびりできるように絵描き作業全部済ませとこう」と、簡易テーブルの上にこいつを置いて、眠くなるまで描いては寝て。起きたらまた描いて。そんな風に過ごしてたらあっという間のフライトでした。

あらためて今回の25日間。持ち歩いてみると、やはり要所要所で「重いな」と感じることは否定できませんでした。特に今回のような1カ所に定住しない、流れ旅のような道程では、その重さと、高価な品であるというプレッシャー、このふたつが幾分足をひっぱる形であったことは事実です。

しかしその一方で、「絵を描く作業を行う」ことに対して、ここまで心理的負担がないものかという驚きもありました。だいたい持ち歩き用にこれまで試してきた簡易的な作業環境だと、途中でイヤになるんですよ。手間と(ペンの精度など)品質の面で、作業がめんどくさく感じるようになるんです。描いてて楽しくないし、もう帰ってからでいいやー、みたいな。

Cintiq Companionの場合は、とうとう最後までそうした感情は芽生えませんでした。これ、流れ旅じゃなければ先のネガティブな要素は関係なくなるので、ほぼ完璧な「絵作業環境持ち歩きマシン」ですね。すごいや。

流れ旅用モバイルお絵かきマシンとしても、あともうちょっと。

その「あともうちょっと」が大きいのかも知れないですが、今後の機種展開に期待をせずにはいられません。