こんにちは。写真家の桐島ナオです。この連載では猫を一眼デジタルカメラで撮影する際のコツや撮影時の設定、レンズ選びなどを含めてご紹介します。今回は読者さまからの質問「猫じゃらしで遊ぶ猫が上手く撮れません!」です。
まずはお悩み相談のメールのご紹介から!
「眠っている猫や軽く遊んでいる猫を撮影することはできるのですが、猫じゃらしに夢中で思いっきり遊んでいる写真が撮れません。激しく動くとピントがずれてしまいます。背景をボカしたいのですが難しいです。ピントを猫にうまく合わせるコツはありますか?」(原文ママ)
引き続き読者さまからのお悩みにお答えしていきます。今回は猫じゃらしで遊ぶ猫、しかも思いっきり遊んでいる猫の撮影です。
背景をボカすといい感じになりますが、少しでもピントがズレてしまうと失敗してしまい難しい撮影です。
思いっきり遊んでいる猫……とは。
質問者さまからのお写真は非公開なので、参考までに筆者の写真ですが、このような状況です。
ちょいちょい、とじゃれるのではなく思いっきりのジャンプや激しい動きの遊び写真を撮る場合の猫撮影です。この場合、特に猫じゃらし撮影で「できるだけ簡単に撮影するコツ」があります!
まずは設定!!
おさらいになりますが、連載第一回目の「意外と重要!!撮影時の猫との接し方」に記載されている連射の設定をします。設定ができたらモデルさんを絞ります。
よろしくお願いします!
猫が複数匹いる場合は必ず1匹に絞ってくださいね。慣れてきたら2匹でもチャレンジできますが、最初は1対1で始めてみましょう。
撮影の為に猫じゃらしで遊び始めるのですが……可能であれば、自分以外の人にじゃらしを動かして貰いましょう!カメラは両手でしっかり構えて撮影しないとピントが合いにくくなります。シャッター速度は1/500以上に設定しましょう。それ以下だと動きが激しい為、被写体ブレが起こる事があります。
まだ猫は動き出していませんが、この時点でピントを合わせて連射を初めています。 前の写真との時間差は0.5秒です。ピントを追いかけ続ける連射は、被写体が動き始めてからずっと押し続けるのがポイントです。
このカメラの連射は1秒間に3コマ程度でしたのでずっと連射をし続けています。
急に飛び上がったのですが何とか画面内に収まりました!この1枚の瞬間を狙う為には、ジャンプしてからシャッターを押すのでは遅すぎるのです。
「飛んでいる猫」を撮影するには「飛ぶ前からピントを合わせてシャッターを押し続けること」がとっても大切です。
猫の飛ぶ方向にもコツが……?!
動く被写体を撮影することはとても難しいですね。カメラにとっても動くものを撮る事は、静止しているものを撮影するよりも難しいのです。
そして、できるだけしっかりピントを合わせる猫写真を撮るポイントがもう一つあります。それは猫の「飛ぶ方向」です。
じゃらしで遊ぶ猫の、飛ぶ方向に注目。
上の方向に飛んでますね。最初にご紹介した写真は斜め上に飛んでいます。
被写体と真正面から向き合っている時、「上下左右」に被写体が動いてもピントは動きません。前後の動きがあるとボケてしまう事が多いので、高速連射ができる連射が得意なカメラ以外の場合は、特に「猫が動く方向」を意識しましょう!
また、猫じゃらしを動かす際は、猫が「前後」ではなく「上下左右」に楽しく飛べるような誘導をします。すると、ピントの合焦率は格段に上がります。(この時も猫が動き出す前から連射をするのを忘れずに……)。
正面からの場合……?
では、上下左右ではない真正面から飛んでくる猫の場合です。
真正面から狙うと迫力ある表情が撮れますが、正面からの動体撮影はカメラが最も苦手とする動き。何回かトライしましょう!
背景と猫の毛色に差がある場所を選んだり、できるだけ明るい場所で撮影するなど、場所の工夫も必要です。特に、シャッタースピードとピントの合うスピードが鍵になりますので、とにかく明るい場所で撮影する事が大切です。
あとは、とにかくたくさん撮影してピントを合わせるタイミングや連射をスタートするタイミングを測る事です。これは撮影環境や猫によって違いますので、上記を参照しチャレンジしてみてくださいね!
要するに……?
今回の「遊んでいる猫を上手く撮るには?」という質問へのご返答ですが……。
(1)連射の設定をし、猫が動き出す前から連射をスタートする!
(2)最初は上下左右の飛び猫の撮影からスタートする!
という結果になります。
たまには、こんなハプニングが起きるかも!?(このあとハチワレに突撃を喰らったのは言うまでもありません……)。
猫と人間の安全を最優先して、危険の無い場所でお楽しみください。
(写真は全て東京キャットガーディアンにて撮影いたしました)
次回予告
次回も引き続き読者の方からのご相談に回答する「猫撮影で必要なグッズはありますか?」です。具体的な写真の説明を交えてご紹介していきます。
著者プロフィール
桐島ナオ
写真と詩を組み合わせた物語写真を中心に発表している写真家。植物と猫とカフェが大好き。PhotoCafe写真教室の講師もしています。公式HPはこちらから。