上着を羽織らずとも「よそ行き」になるプルオーバースエットシャツ。ロングスリーブTシャツにはない肉厚な生地感で、季節の変わり目に活躍します。まさに最終回に相応しいテーマです。
そんな大人カジュアルの定番アイテムも、「スエットシャツの生地感」や「全身の色数」次第では、学生っぽく見えるもの。とくにアメカジの定番ともいえるジーンズ合わせは、意外にも「普通の40男が着るには、カジュアル過ぎる」のです。
男性がプルオーバースエットシャツを取り入れるコツについて、『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者がお伝えします。
「張り感」ある生地を選ぼう
無地のものからレタードと呼ばれるプリントものまで、デザインに幅があるスエットシャツ。なかでもアメリカの有名大学名がプリントされたカレッジスエットは、ここ数年のトレンドも相まって、あらためて注目されています。
大人が身につけるには「無地が合わせやすい」と思われがち。ですが「カレッジスエットシャツがNG」という訳でもありません。例えばキャップと合わせるだけで、ストリートな雰囲気に仕上がります。
そして大事なポイントは、「生地の張り感」です。古着のイメージが強いスエットシャツだからこそ、張りのない生地では「家着っぽさ」が強調されてしまいます。
これではだらしなく見えかねませんよね。ストレッチが利いた肉厚なスエットシャツを選びましょう。
「色数」を絞ろう
アメカジ好きの方ならば、スエットシャツには、インディゴブルーのジーンズや軍パンのコーディネートを連想するのでは。
この手のコーディネートは、「整髪や髭をファッションとして捉えている」古着屋店主のような世界観をお持ちの方にはハマります。ところが、普通の40男にとっては、カジュアルすぎるのです。
そこでスエットシャツ初心者におすすめしたい系統は、アメカジ路線ではなく、アスレジャー路線。これは2010年代中盤以降にニューヨークで起きたムーブメントで、色数を絞った「都会的なスポーツカジュアル」の着こなしです。
アスレチック(運動)とレジャー(余暇)の造語で、色数を絞ったコーディネート。そこで全身を3色以内に絞ってみてください。カジュアル味も抑えられ、大人カジュアルの雰囲気に仕上がるでしょう。
「張り感」と「全身の色数」で、プルオーバースエットシャツを大人カジュアルにまとめましょう。またどこかの媒体で、あなたに会うことを楽しみにしております。