春先に欠かせないスプリングニット。その軽快な雰囲気は40男のみならず、着る人すべてを「爽やかな印象」に変えてくれます。にもかかわらず、着こなしに違和感ある男性を見かけることも事実です。
「秋冬用のウールニットと合わせる服が変わる」ということは意外と知られていません。着用期間が短いため、同じ意識でスプリングニットを着ている人が多いのではないでしょうか。
今回は「大人のNGスプリングニット」について『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者がお伝えします。
スプリングニットが軽快に見える理由
スプリングニットと秋冬ニットの「違い」を考えたことはありますか。
一例を挙げると、色が変わることは誰もがイメージするでしょう。濃色が中心の真冬セーターに比べ、スプリングニットは春を連想させる明るい色が多いです。そして素材も違います。
防寒を目的とする真冬のニットはウール素材ですが、スプリングニットはコットン素材が多いです。なかには、混紡しているタイプもありますが、ここで伝えたいのはウールとコットンの「素材の差」です。
コーディネートの視点でみたとき、コートとニットの素材感を合わせたほうが調和しやすいことは間違いありません。例えば重厚感あるウールコートにコットン素材の軽快なスプリングニットを合わせると、アウターとインナーの印象が大きく異なり、コーディネートのバランスが難しくなります。
そこで、ステンカラーコートやトレンチコートなど、表面がツルっとした薄手の同じ素材のスプリングコートをニットに合わせると、初心者でも簡単にハマるのです。
生地感で変わる「着こなしの最適解」
ざっくりしたローゲージから、目が細かいハイゲージまで。素材は同じコットンでも、編み目の密度で印象はガラッと変わります。
ざっくりした生地感で、一枚でこなれ感を出せるローゲージニットに比べ、目が細かいハイゲージは単体では貧相な印象。
また、それを逆手に取り、ざっくりしたローゲージのニットベストにシャツを合わせる恰好も昨年あたりから流行しています。その場合、シャツは生地が粗めで厚手のオックスフォード素材のものを合わせるのが最適解です。
こうした素材同士の相性によっても、着る人の印象に影響を及ぼします。洋服のコーディネートを考える際に、ぜひ参考としてみてください。