クレジットカードを作成する際は、国際ブランドを1つ選択する必要があります。国際ブランドとは「VISA」や「MasterCard」など、決済システムを供給する会社です。
国際ブランドは、加盟店の数や優待の内容、年会費の金額などに違いがあります。国際ブランドを適当に選んでしまうと、よく買い物をするお店でカードを利用できなかったり、得られたはずの優待を逃してしまったりするかもしれません。
そこで今回は、クレジットカードの国際ブランドの特徴や選び方について解説します。
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提携カードとプロパーカード
クレジットカードの国際ブランドを確認する前に知っておきたいのが「提携カード」と「プロッパーカード」の違いです。
クレジットカードを発行できるのは、国際ブランドからライセンスを獲得した発行会社のみです。主な発行会社には「三菱UFJニコス」や「クレディセゾン」があり、カードの発行や入会審査、請求書の発送などを行っています。
提携カードとは、小売業者や携帯キャリアなどの企業が、発行会社にカードの発行や決済サービスを委託しているクレジットカードです。提携カードには、「楽天カード」や「リクルートカード」などがあります。
提携カードの特徴は、ポイント還元率の高さでしょう。ポイント還元率が高いと、決済をしたときに、現金とほぼ同等の価値があるポイントを多く獲得できます。
プロパーカードとは、国際ブランドや発行会社が直接発行するクレジットカードです。「JCBカード」や「アメリカン・エキスプレスカード」などは、プロパーカードです。
プロパーカードは、提携カードよりもステータスが高い傾向にあります。カードの種類によっては、持っているだけで「お金持ち」と認識してされる場合もあるのです。また優待や補償、サービスが充実している点もプロパーカードの特徴です。
一方でプロパーカードは、入会審査が厳しく、年会費は高い傾向にあります。
クレジットカードの国際ブランドの違い
国際ブランドによって利用できる国や地域、店舗などが異なっています。ここでは、国際ブランドのうち、以下5つの特徴について解説します。
・VISA
・MasterCard
・JCB
・American Express
・Diners Club
Visa
VISAは、加盟店は5,000万店舗、日本と世界の両方でシェア率がトップである国際ブランドです。210カ国以上の国や地域で利用が可能であり、とくにアメリカ方面に強いといわれています。
これまでVISAは、代表的なスマホ決済である「Apple Pay」に対応していない点がデメリットでした。しかし2021年5月11日からApple Payに対応しており、死角のない国際ブランドとなっています。
なおVISAは、プロパーカードを発行していません。
MasterCard
MasterCardは、世界シェア率がVisaに次いで高い国際ブランドです。世界210カ国以上で利用でき、加盟店は5,000万店舗以上。とくにヨーロッパ方面に強いといわれています。
ちなみに「コストコ」で利用できるのは、MasterCardのみです。※2021年8月現在
MasterCardもVisaと同じく、プロパーカードを発行していません。
JCB
JCBとは、唯一日本企業が運営する国際ブランドです。プロパーカードである「JCBカード」を発行しています。
JCBの加盟店数は、世界3,500万店舗以上とVISAやMasterCardには及びません。しかし日本国内のシェア率はVISAの次に高く、日本でクレジットカードが使えるお店のほぼすべてがJCBに対応しています。
またハワイや韓国など、日本人に人気の渡航先で多くの加盟店を持っているだけでなく、海外での日本人サポートが充実しています。
American Express(アメリカン・エキスプレス)
American Express(アメリカン・エキスプレス)は、ステータスが高く中流層から富裕層に支持されている国際ブランドです。プロパーカードである「アメリカン・エキスプレスカード」を発行しています。
アメリカン・エキスプレスは、年会費が高めである一方、「ホテル・レストランの優待」「空港ラウンジの無料利用」「海外旅行保険」など、特典やサービスが充実しています。
またアメリカン・エキスプレスは、JCBと相互開放しているため、JCBの加盟店舗では、基本的にアメックスも利用が可能です。
Diners Club(ダイナースクラブ)
Diners Club(ダイナースクラブ)は、アメックスと同じく富裕層に支持される国際ブランドとして知られています。またプロパーカードの発行枚数は限られており、希少性が高いといわれています。
ダイナースクラブは、利用限度額が高い傾向にあるだけでなく、優待サービスも充実。例えば、対象レストランのコース料理、1名または2名分が無料になる「エグゼクティブダイニング」を利用できます。※一部の提携カードでは、利用できない場合があります。
また空港ラウンジの利用サービスや、手荷物宅配サービスなども利用が可能です。
国際ブランドの選び方
日本だけでなく海外でも幅広く利用したいのであれば、対応エリアが広く加盟店舗が多いVISAまたはMasterCardを選ぶと良いでしょう。海外旅行が趣味である方や海外出張をする方などは、VISAとMasterCardの両方を持っておくと安心です。
主な利用先が日本である方は、JCBを選ぶのがおすすめです。ステータスや優待内容を重視したいのであれば、アメリカン・エキスプレスやダイナースクラブが選択肢となります。
ただし、身の丈に合わないほどの年会費が発生するクレジットカードを持つのは禁物です。
もちろん、ここでご紹介した選び方は、あくまで一例にすぎません。行動範囲や利用する店舗、趣味などをもとに、ご自身に合った国際ブランドを探してみてはいかがでしょうか。