ネットをチェックしていたらとんでもない記事を発見しました。1缶5,000円もするツナ缶が限定発売されるというのです。調べてみるとこのツナ缶は、過去にも限定販売をしていて、その度に売り切れていたそう。
「ついに見つけてしまいましたか。フフフ」と声を掛けてきたのは缶詰博士。どこに隠れてたんですか?
「僕もかつて入手したことがあります。どんなものか詳しくお伝えしましょう」
果たして5,000円のツナ缶とは、一体どんなものなのでしょう?
価格が世界一
世界一を獲るのは大変なことだ。競技でも、芸術でも、トップの座は一つしかない。それを獲るには一体どれほどの努力が必要なのか。
そして、ここにあるのはその世界一を獲ったツナ缶。何が世界一かと申せば、まず90グラムで5,000円という値段だ。僕の知る限り最高値であります。
パッケージが世界一
漆黒の箱を開けると、中には商品の説明書き、爪楊枝2本、シリアルナンバーを記した紙と缶詰が入っている(上の画像、左から順に)。
爪楊枝は何とクロモジ製。クロモジはクスノキ科の樹木で、独特の香りがあるので、上等な爪楊枝の原料として使われている。
箱自体もビューリホーだ。各所が立体に折ってあり、缶詰が中で動かないようになっている。これだけ凝ったパッケージのツナ缶は他に存在しない。
オリーブオイルが世界一
満を持して開缶。いつもは「でりゃーっ」と勢いに任せて開けるが、今回はモノがモノなので冷静に開缶であります。
表面に見えるのは月桂樹の葉。大きな葉を切り整えたのが分かる。そして缶内を満たす黄金色の油はエクストラバージン・オリーブオイルだ。スペイン製で、その名も「エルドラード ブラックレーベル」という。このツナ缶の商品名には、その名が冠されているわけ。
このオイルは、国際オリーブオイルコンテストで最優秀賞を何度も受賞している。すなわち世界一のオイルであります。
原料が世界一
このツナ缶は原料もすごい。夏ビンナガマグロの大トロ部分だけを使っているのだ。
身が白く美しいビンナガマグロはツナ缶原料の最高峰で、その旬は夏。だから夏ビンナガマグロを使うのは他社製品にもあるけど、大トロ部分しか使わないとなると話が違ってくる。それも、極上の部位だけ選んで使うので、買い付けたビンナガマグロ3尾から、たった1缶しか造れない。もう、完全にクレイジーなことをやっているわけであります。
技が世界一
上の画像は、その大トロを手作業で切り整えているところ。あらかじめ蒸した身からトロ部分を切り出し、さらに極上部位だけ選んでから、血管や血合いをすべて取り除く。この作業には熟練の技が必要で、担当する職人は工場に3人しかいない。だから月産はせいぜい50缶という超希少品だ。
食感が世界一
この大トロの身を一枚はがし、舌の上に乗せた刹那。驚くような体験が始まる。かむ前から、それが滑らかなのが分かるんであります。
ゆっくりかんでみれば、その身はあくまで柔らかく、火の通し方がレアなのかと缶違いしてしまうほどだ。もちろん缶詰なのだから、加熱殺菌のために高温加熱してあるのだけど、これまでのツナとは次元が違う。
それは脂の乗った大トロ原料であることと、世界一のオリーブオイルを使っていることによるのだと思う。
来たる12月15日に200缶が限定発売される。販売店舗はモンマルシェ本店(静岡市清水区)とパルシェ店(静岡市葵区)、日本橋三越本店で、通販だとモンマルシェ直販サイトになる。
しかし200缶などあっという間に売り切れるはず。そうなればまた次回の販売を待つしかないけど、何しろ世界一なのだ。気長に待つとしましょう。
缶詰情報
モンマルシェ/ブラックレーベル鮪とろ(税別5,000円)
モンマルシェ本店や直販サイトなどで限定販売(時期不定)