カレーはレトルトと決めています。何しろ用意が簡単だし、バターチキンやマッサマンなど凝ったカレーだって揃っています。レトルトは偉い!
ところがそれに真っ向から反対するのは缶詰博士。「確かにレトルトパウチはバリエーションも豊富。でも缶詰にもすごいカレーがあるんです!」
だいぶハードルを上げましたね博士。でも、そこまで言うなら見てみたいです。
夢のタッグ
世田谷区経堂に「ガラムマサラ」というインド料理店がある。知る人ぞ知る名店で、カレーはもちろん、一品料理もすごく充実している。夜にはそれらの料理で酒を呑み、最後にカレーで〆る人も多い。
このお店が監修したのが「木の屋のラムカレー」缶。名が示す通り、製造は木の屋石巻水産。同社は"超"人気の「金華さば」缶で全国に知られている造り手だ。
この両者がタッグを組んだカレー缶なのであります。わくわくするではないか。
けっこう似てる
ラベルにはガラムマサラ店主・ハッサン氏の似顔絵が描かれている。これがけっこう似ている。
ハッサン氏をご存じの方なら、きっと微笑を浮かべることでありましょう。
ナチュラルチーズ入り!
カレー好きが気になるのは、どんな材料で造られているかということ。缶詰の場合、それはこの原材料表記を見れば一目瞭然であります。
ざっと書き写すと、ラム肉、大豆、ココナッツミルク、フライドオニオン、ナチュラルチーズ、バター、梅肉、チキンカレーマサラ……と続く。僕が目を止めたのはナチュラルチーズ。これがおそらく独特のコクを生み出すに違いない。
唾液がじゅわっ
缶ごと湯せんで5分温めてから開缶。そうすればおいしく食べられると、ラベルに書いてあるのだ。親切なことである。
温まったラムカレーからは、まずラム特有の匂い。草原を連想させるいい匂いだ。そこにいかにも辛そうなスパイス連合軍の匂いも絡み、ほんのり酸味をうかがわせる匂いも混ざり、思わず唾液がじゅわっ。
ラム多し
ラムと大豆はこんな風に入ってる。ラムがたっぷり入ってるのがすごく嬉しい。昭和世代の男子なら、誰だってラムちゃんが好きなはずである。
味が染みてそうな大豆もウマそうだ。煮崩れてないことに注目するっちゃ!
缶からいただくのもアリ
かくのごとし。野菜とナンを添えれば立派な1食であります。
今回は缶からいただくことにする。最後は中に残ったカレーをナンできれいに拭い、残さず食べるつもりなのだ。そうすれば缶を洗うのも缶た〜ん。
しかし、注意すべきは切り口である。フタを取ったあとの切り口はカミソリのように鋭いので、くれぐれも指を切らないように注意されたい。例えば、ナンは小さく千切ってフォークで刺し、それで拭うようにすればいいのだ。
ラムはほろほろと繊維状に崩れる柔らかさ。噛んでるうちにスパイス連合軍がじわじわと立ち上がってくる。それははじめ穏やかに思えるが、ある時点を過ぎると一気に攻めてくる。やがて口中はガラムマサラで満たされ、辛さでハァハァ言い出す頃には頭から汗も流れてくる。かと思えばチーズやココナッツミルクの攻撃もあって味わい多彩の波状攻撃。カレーファンにこそ食べて欲しい一品であります。
缶詰情報
木の屋石巻水産/木の屋のラムカレー 170g 690円(税込み)
直販サイトで購入可(限定販売)