缶詰博士によると、コンビーフにはご当地ものが存在するそうです。それぞれ味に違いがあって「探せばきっと自分好みのコンビーフがあるはず!」と目を輝かせます。相変わらずのマニアっぷり、お見事です。

「例えばこれ。脂っこさが苦手な人にはぜひ試してほしい」と取り出したのは、広島のご当地コンビーフだそう。うーん、デザインからしておいしそうですね。

  • なかやま牧場/なかやま牛"亜麻仁の恵み"コンビーフ 80g 1,000円(税込み)

牛が違う

ずばり申しますと、このコンビーフは肉がウマい。まるで生クリームのようにミルキーな風味を持っているのだ。しかし食べ続けてもクドさはなく、脂分はむしろ少ない。

このコンビーフを販売するのは広島県の「なかやま牧場」という畜産会社。つまり牛のプロであります。自分たちが丹精を込めて育てた「なかやま牛"亜麻仁の恵み"」という牛を原料にしている。

  • なかやま牛"亜麻仁の恵み"内観

白くない

では本日もご唱和ください、開缶!
粗くほぐされた赤身肉がぎっしり詰まっている。通常はコンビーフと言えば白く輝く脂が名物(?)だが、それがほとんど見当たらない。

  • ナスを炒める

料理開始

ここでおもむろに台所へ入るのであります。ナスを一口大に切って、多めのオリーブオイルで炒めるんであります。

  • タマネギ、ニンニクを炒める

ナスはいったん取り出す

ナスに火が通ったらいったん取り出しておき、同じ鍋でスライスしたタマネギと潰したニンニクを炒める。ニンニクが柔らかくなるまでしっかり火を通しますです。

  • ホールトマト投入

煮込む

弱火にしてからホールトマトを1缶投入。トマトを潰しながら気長に煮詰めていく。トマト缶は煮込むほど酸味が減って濃厚になるので、ここはのんびりじっくりやりましょう

  • コンビーフ投入

甘酸っぱくする

トマトが煮詰まったら、いよいよコンビーフを投入。砂糖と塩、バルサミコ酢を加えて甘酸っぱい味にし、火を止める。コンビーフはもともと加熱調理済みなので、過剰に火を通すと風味が失われるんですぞ。

  • ナスを戻す

冷まして冷蔵庫へ

火を通しておいたナスを加え、全体を混ぜたらそのまま放置して冷ます。中身が冷えたらさらに冷蔵庫へ。冷たい状態が美味しい料理なのだ。

  • コンビーフのカポナータ缶成

まんべんなく美味

ということで缶成したのはカポナータ。夏野菜のナスをたっぷりいただくイタリア料理であります。

繊維状にほぐれたコンビーフがナスに絡んで、どこを食べてもまんべんなく美味。そしてコンビーフのうまみがしっかり残っているのがすごい。原料である"なかやま牛"がおいしい証拠であります。

缶詰情報
なかやま牧場/なかやま牛"亜麻仁の恵み"コンビーフ 80g
小売価格1,000円(税込み)
同社のオンラインショップで購入可

黒川勇人/缶詰博士

昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」Facebookファンページも公開中。