「いわしの旬がやって来ました!」とやって来たのは缶詰博士。いわしは初夏から体が大きくなり、脂が乗っておいしくなるのだそうです。
いわしの脂は健康に欠かせないDHAとEPAが豊富。さばと一緒ですね。ダイエット効果もあるから見逃せません。
「脂の乗った北海道産いわしの水煮缶おいしいんです。それで超時短メニューを作りましょー!」と、いつものように勝手に料理を始める博士。火も使わない時短メニューだそうですが、はたしてどんなものができるのでしょう?
魚がウマけりゃ塩だけでウマい
魚介缶詰のメーカーの人が、口をそろえて言うことがある。それは「魚がウマけりゃ味付けは塩だけでウマい!」というもの。
ウマい魚というのは、鮮度が良くて、魚体が傷ついてなくて、脂が乗っているということ。鮮度の件は、たとえ冷凍であっても、水揚げされて間もない新鮮なうちに急速冷凍してあればいいのだ。
そんな文法にのっとって造られたのが「釧路のいわし水煮」であります。しかも原料は脂の乗った北海道産いわしであります。まずい訳がないんであります。
脂の層に注目すべし
さあ、本日もご唱和ください。開缶!
表面に見える脂の層にご注目。これはすべていわしから出た脂だ。まるでオリーブ油でも加えたように思えるほど分厚い層だが、そうではない。
この缶詰の原料はいわしと塩と水のみ。つまり、この脂はもともといわしが持っていたもの。原料のいわしに、どれだけ脂が乗っていたかよく分かる。
超時短の方法
ここでやおら水菜を千切り、電子レンジ対応の耐熱皿にたっぷり敷き詰める。いわしの身と缶汁を入れ、バターを1片乗せ、レモン汁を掛けたところでラップをして電子レンジにIn。20秒だけ加熱してやりましょう。
この加熱の目的はバターを溶かすこと。いわしも水菜もそのまま食べられるから、火を通す必要はないのだ。なのでレンチンも20秒程度でOKであります。
もしバターが溶けなかったら、スイッチを入れ直し、再び10〜20秒で小刻みに加熱する。30秒近く加熱し続けると、いわしの脂が急激に熱せられて、いわしの皮が弾け飛んでしまう。そんな悲しい事態はぜったいに回避したい。
水菜も超美味
最後に黒コショウを振って、缶成。溶けたバターが缶汁と混ざり合い、水菜に染みこんでおります。缶汁にはいわしのうまみがたっぷり含まれているから、それがバター&レモンと缶然一体(渾然一体)になって、究極のうま汁になっております。
そのうま汁をまぶしつつ、いわしと水菜をいただく。脂の乗った皮、うまみが強い背身、中骨がそれぞれウマい。そして、うま汁の染みた水菜はしゃくしゃくした歯触りも残っていて超絶ウマい。思わず追い水菜をしてしまったほどだ。
缶詰情報
マルハニチロ/釧路のいわし水煮150g
希望小売価格170円(税別)
スーパー、ネット通販などで購入可
黒川勇人/缶詰博士
昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。