空前のサバ缶人気が続いています。ボリューミーで栄養豊富、脳の働きを活発にするというDHAまで含まれているから、ビジネスパーソンには見逃せない食品です。でも世の中にはサバが苦手な人だっている。そういう人はどうすればいいのでしょうか。

缶詰博士に訊いてみると「これなら多分ペロリといける」と一発回答。うーん、本当ですか博士?

  • マルハニチロ「ラ・カンティーヌ 鯖フィレオリーブオイル漬レモン味」

我が道を行くサバ缶

今一番売れているサバ缶は水煮であります。なぜかというと糖分が入ってないからであります。「サバ缶は健康にいいから」と買う人は、健康について関心が高く、糖分をなるべく避ける傾向にある(糖分が身体に悪いとは思わないが、そういう風潮は確かにある)。

かくして各メーカーは水煮の製造でてんてこまいなのだが、そんな中で1人、いや1缶、我が道を行くサバ缶が存在する。それがマルハニチロの「ラ・カンティーヌ 鯖フィレ」だ。2013年に発売され、まずその秀逸なデザインで話題になった。

  • ラベルを取るとさらにビューティフル

外見は大事

一見するとまるで陶器のように見えるが、ラ・カンティーヌはそのように狙ってデザインされている。つまり確信犯。下地の白はべたっとした色合いで、その上に印刷された青いボタニカル模様はポルトガルのタイル「アズレージョ」のようだ。模様の縁をわざと滲ませたりして、このように仕上げたという。

この美しいシリーズに12月25日、レモン果汁を加えた新しい味付けの「鯖フィレオリーブオイル漬レモン味」が加わった。以下はその日本最速レポートであります。

  • 開缶! 身がフィレ状なのも特徴

中身だって魅力的

さあ本日もご唱和ください、開缶! (声に出してね)。ご覧の通り、このサバ缶は身がフィレ状にカットされている。しかも皮、骨、血合いを取り除いてあるのだ。この作り方は明らかにヨーロッパ流で、特にフランスや北欧でよく見られる手法。

サバには青臭い匂いがあるが、それは主に皮と血合いの部分から出てくる。それらを取り除き、さらにオリーブオイル&レモン果汁に浸けたおかげで青臭さはまったくなし。というか、目隠しで食べたら何の魚か判らないと思う。

ほんのり利いてるレモンの酸味と、1缶あたり0.7グラムというわずかな塩分相当量で、とても上品な味わいだ。

  • 缶を器として使う

ちょい足しでちょい変身

かくのごとし。サバをオリーブオイルごとボウルにあけて、小さじ1のマヨネーズとすりおろしにんにくを少量(爪の先くらい)混ぜ、身をほぐしつつよく和えた。

にんにくのパンチが加わり、あっさり味が一転してガッツリ酒の肴系に変身。魚介系の匂いはさらに薄まっているので、そもそも魚が苦手な人でも美味しく食べられるはず。白ワインがぐいぐい進むメニューですぞ。

缶詰情報
マルハニチロ/ラ・カンティーヌ 鯖フィレオリーブオイル漬レモン味(100g)
参考価格400円(税別)
マルハニチロ通販ショップ「マルハニチロダイレクト」などで購入可

黒川勇人/缶詰博士

昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」Facebookファンページも公開中。