「様々な情報があふれている現代でも、ほとんど認知されていない食文化が地方にはある!」と、鼻息も荒く語る缶詰博士の黒川氏。
前置きなしに話しだすのはいつものことですが、取りあえず聞いてみましょう。何のことですか?
「北海道の釧路市では、酒を呑んだあとのシメにつぶ貝を食べる文化があるそうです。何とうらやましい!」
まずは新商品を試食
先日、ホテイフーズのM氏に教えてもらった衝撃の事実。北海道釧路市では、酒を呑んだあとのシメとしてつぶ貝を食べるのが常識だという。
「私も知りませんでしたが、“シメつぶ貝”で町おこしもやっているそうです」とM氏。知らなかった!
どうしてそんな話になったかというと、ホテイフーズの新商品のひとつが「焼つぶ 北海道産」というものだったから。北海道産のつぶ貝(アヤボラ)を特製ダレで味付けし、炭火で焼きあげてあるという。釧路の話も気になるけど、まずは新商品を試食せねば。
匂いを嗅いだだけでよだれ
イージーオープンのフタをぱかっと開けると、とたんに香ばしい匂いが拡散した。
これはあの、あれです。江ノ島とか九十九里とか、そういう海辺の町で漂っている浜焼きの匂いであります。焼いた貝の匂いに、しょう油が焦げた香ばしい匂い。嗅いだだけでよだれが出てくる、そういう匂いであります。
貝のうまみと焦がししょう油
つぶ貝はひとつひとつが大きくて嬉しい。M氏によると、原料のつぶ貝はサイズがまちまちで、揃えるのが大変なのだそうだ。
そのままいただくと、食感はプリプリ&モチモチ。貝類特有のうまみに焦がしたしょう油の風味が加わって、次第に狂おしいような気持ちになる。
そのまま食べ尽くしそうになるのをぐっとこらえて、一度冷静になる。釧路市民はこれをシメに食べるというから、シメにふさわしいアレンジをしてみたい。さて、どうするか?
つぶ貝の名産地
かくのごとし。耐熱容器にエリンギとブロッコリー、缶汁を入れて魚焼きグリルで焼き、火が通ったところでつぶ貝をOn。バターを乗せてから20秒だけ焼いて缶成とした。つぶ貝を焼きすぎないための二段階加熱であります。
加熱によってつぶ貝はふっくらし、あらためて炭火焼きの香りが立った。貝のうまみが溶け込んだ缶汁は、一滴も残さずエリンギとブロッコリーが吸い込んでいる。バターも相性抜群であります。
さて、釧路市民はなぜ、つぶ貝をシメにするのか。ネットで調べたところ、市内に「つぶ焼き かど屋」という飲食店があり、昭和41年からつぶ貝焼きを提供している。
食べ物は他にラーメンしかなく、酒呑みたちは焼きたてのつぶ貝に舌つづみを打ちつつ、ラーメンをすすっているという。そこが“シメつぶ貝”の発祥となったそうな。
わかったような、よくわからない話だけど、釧路はつぶ貝の名産地でもある。豊富な資源がシメになっているわけで、うらやましい限りであります。
缶詰情報
ホテイフーズコーポレーション/焼つぶ 北海道産 55g 324円
全国のコンビニやネットショップなどで購入可