缶詰博士の黒川氏によると、地方の名産品を詰めた缶詰を「ご当地缶詰」と呼ぶそうです。
地元の人には見慣れたものでも、他地域の人からすると特別感があるもので、博士いわく「もらって嬉しい、あげても嬉しい」缶詰なんだとか。
今回はそんなご当地缶詰の新商品、サクラエビの缶詰の話題です。
正真正銘のご当地缶詰
山梨罐詰(缶は旧字)は山梨県のメーカーではなく、静岡県のメーカーであります。
山梨県と静岡県は隣り合っており、県境が富士山にあることから「富士山はうちのもの!」という論争があるそうで、両者の関係はわりとややこしい。
で、もう一度申しますが、山梨罐詰は静岡県のメーカーであります。静岡の特産品を使ったご当地缶詰を作っており、この7月には「静岡釜揚桜えび缶詰」を発売した。
日本では静岡県でしか水揚げされない希少なサクラエビを使った、正真正銘のご当地缶詰なのだ。
エビの香ばしい匂い
届いたばかりの釜揚桜えび缶詰を開けると、とたんにエビの香ばしい匂いが広かった。
サクラエビは鮮やかなオレンジ色をしており、小さな身体に長いヒゲ、寄り目がちの黒目が愛らしい。
原料は塩茹で(釜揚げ)したサクラエビとpH調整剤のみ。塩味が付いているけど、その塩味は塩茹でした時の味だそうで、後から味付けしたわけではない。実にシンプルで好缶(感)が持てる。
うまみが凝縮
この缶詰は缶汁が少ないのも特徴だ。缶を傾けるとわかるが、わずかな量が缶底に見える程度なのだ。
この缶汁はサクラエビから抜け出た水分のはずである。ちょいと舐めてみると、エビのうまみが凝縮されており、濃厚そのもの。塩味もしっかりあるから、料理のダシに使ったらウマそうだ。
釜揚げサクラエビそのもの
かくのごとし。スパゲッティ・ペペロンチーノの具としてサクラエビを1/2缶使い、彩り&増量にシシトウも合わせた。なお、先ほどの缶汁も抜かりなくぶっかけてある。
まずはサクラエビをちみちみかじると、おお! 身がしっとり柔らかく、ボソボソしていない。頭も殻も付いたままなので、そこから出てくる重層的なうまみが味わえる。まさしく釜揚げサクラエビそのものであります。
その味が染みたスパゲッティもウマい。多めに入れたニンニクとエビの風味がマッチしており、仕上げにぶっかけた缶汁でさらにうまみが増している。
ちなみに、静岡県の企業なのになぜ山梨罐詰という社名かというと、社長の名字が山梨さんなのだ。ご当地缶詰ならぬご当地ネタでありましょう。
缶詰情報
山梨罐詰/静岡釜揚桜えび缶詰 40g 864円
同社直販サイトなどで購入可