湖畔や森で過ごす時間が好きだという缶詰博士の黒川氏。どんなことをしているのか尋ねてみると、「ほぼ一日中、なにか料理してます!」という答えが。それも缶詰をベースにしたオリジナル料理が多いそうです。
「現地調達した野菜を足して、煮たり焼いたりするだけでほぼ缶成しちゃうのが缶詰料理のいいところ。この炙りサーモンハラスの缶詰も、野菜との相性が抜群でしたぞ!」
一滴も残したくない
アウトドアで使う缶詰は、汁や油が少ないもののほうが使いやすいと思う。もし汁や油が多すぎたら、新聞紙に含ませてからビニール袋に入れるなどして、持ち帰らないといけないからだ(地面に捨てると環境に悪影響が出る)。
ただ、汁気が多い缶詰でも、料理で使い切ってしまう方法がある。今回のキャンプに持参した髙木商店「炙りサーモンハラス」もそんな缶詰で、水と、ハラスから出た脂が缶内を満たしていた。
それはうまみたっぷりのおいしい汁なので一滴も残したくないくらいだが、さて。どーすっか?
美しいけどおかしい
フタの下から現れたのは、美しいピンク色をしたサーモンのハラスだった。ハラスというのはもっとも脂が乗っている腹の部位であるが、それはそれとして、この缶詰のハラスはおかしい。
だって品名に"炙り"と書いてあるのだから、焦げ目がついてないといけないではないか。そうでないですか髙木さん?
焦げ目は隠されている!
切り身を一枚めくってみたら、その裏側から焦げ目の付いた皮が現れた。ほかの切り身も同じで、焦げ目付きの皮をわざと隠すように詰めてある。
そこで思い出した。髙木商店がこの平たい缶を使って魚を詰めるときには、皮を下に向ける特徴があるのだ。その理由は、皮を上向きにして詰めると、皮がフタの裏側に貼りつき、開けたときにはがれてしまうから。
魚の皮はウマい。それを炙ってさらにウマくしたので残さず食べてほしい。そんな髙木さんのこだわりだったのであります。
このまま食べてしまいたい思いをこらえ、道の駅で買ってきた芽キャベツ、プチトマトを取り出す。リュックからはスキレットを取り出した。
野菜がまじウマ
かくのごとし。スキレットに炙りサーモンハラスを汁ごと入れ、半分に切った芽キャベツとプチトマトを加えてフタをし、熾火で火を通した。味付けは一切しておりませぬ。
熱々になったハラスは舌の上でとろけ、甘い脂がじゅんじゅん湧き出てる。しかしクドくはない。塩味が控えめなのも僕好みで嬉しい。
それと、サーモンのうまみが染みこんだ野菜がまことにウマかった。とくに芽キャベツがまじウマ。汁を捨てなくて良かった!
缶詰情報
髙木商店/炙りサーモンハラス 100g 497円
同社の直販サイトなどで入手可