缶詰博士の黒川氏によると、異業種の企業同士が手を組んだ「コラボレーション缶詰」が増えているそうです。
「中でも勢いがあるのは明太子メーカーのふくや。各地の缶詰メーカーとコラボして、まったく新しい缶詰を生み出しています」
その最新作が明太子入りのコンビーフハッシュだそうです。一体どんな味なのでしょうか?
あまりにも意外な組み合わせ
コンビーフにジャガイモを加えたのが、沖縄のソウルフード「コンビーフハッシュ」であります。
肉100%で造られるコンビーフ(あるいはニューコンミート)と違って、風味が軽やか。コンビーフ特有の風味が苦手な人には、かえってこっちのほうがいいかもしれない。
そこに「明太子を混ぜたらウマかろうね?」と企んだのが、明太子製造のパイオニア・ふくやだ。コンビーフハッシュ缶を造っている沖縄ホーメルに呼びかけ、今年の5月にとうとう「めんビーフハッシュ」を造ってしまった。
あまりにも意外。あまりにも想定外。味の想像がまったくできない。
明太子の粒が見える
常温のまま開缶すると、通常のコンビーフハッシュとほぼ同じ光景が広がった。コンビーフと、きれいにダイスカットされたジャガイモがぎゅうぎゅうに詰まっている。
よく見ると、コンビーフの合間に白っぽい粒が見える。加熱した明太子の粒であります。
けっこう辛い
フォークですくってみると、明太子の粒はあちこちに見られる。全体に均一に混ざっているのが地味にすごい。きっと沖縄ホーメルの製造技術が生かされているのだろう。
鼻を寄せてスンスンすると、ちょっと不思議な匂いだ。コンビーフハッシュの匂いなのに、魚介缶の匂いもする。魚卵というよりは魚。ちょっとツナ缶に似ている。
そのまま食べると、真っ先に明太子のピリ辛味がきて驚いた。コンビーフよりも、ジャガイモよりも、まず明太子。しかもけっこう辛く、ひと口だけでも汗が出る。パンチ力ありますぞ、これ。
魚卵のうまみの奥深さ
かくのごとし。超ハイカロリーサンドイッチとして有名な、ポルトガルのフランセジーニャにしてみた。本来は牛ステーキなどを使うところを、めんビーフハッシュで代用したのだ。
フランセジーニャは、溶けたチーズに数種類の肉類(牛ステーキ、ソーセージ、ハムなど)のうまみ、トマト&ビールの特製ソースが混ざり合った超絶濃厚コッテリ料理だ。
それが明太子のおかげですっきりし、かつうまみが奥深くなっている。ピリ辛さもあるから最後まで食べ飽きない。うん、なかなかウマいです、これ。
でも調理がすごく手間なので、次回は素直にゴーヤチャンプルーを作ろうと思う(フランセジーニャのレシピはネットに多数UPされてます)。
缶詰情報
ふくや/めんビーフハッシュ 80g 432円
同社直販サイトや店舗などで購入可