蒸し暑い日が続くと食欲不振になりがち。しっかり食べて体力をつけたいところですが、何かオススメの缶詰はありますか、博士?

「食欲をそそる爽やか味のさば缶はいかが? そのまま食べてもおいしいし、冷製パスタにしても最高ですぞ!」

爽やか味のさば缶? ちょっと想像しにくいですが、どんなさば缶でしょう?

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  • 清水食品 /サバ・トマレモ トマト&レモン味140g オープン価格(280円前後)

    清水食品 /サバ・トマレモ トマト&レモン味140g オープン価格(280円前後)

レモンが目新しい

赤と黒の鮮烈な配色。その合間にレモンイエローの差し色。ひときわ目立つこのパッケージは、清水食品が3月に発売したさば缶「サバ・トマレモ トマト&レモン味」であります。

トマト味のさば缶は珍しくないけど、レモンを加えてあるのは目新しい。想像するに、トマトジュースにレモンをしぼり入れたような味だろうか?

ちなみに、この商品の姉妹品には「サバ・ガリバタ ガーリックバター味」がある(第247回「どうする缶汁?! ごはんにぶっ掛けるだけでおいしいサバ・ガリバタ缶」を参照されたし)。

一方はガリバタで濃厚こってり、こちらはトマレモでとことん爽やか。両極の味が揃っているわけだ。

  • サバ・トマレモの内観(常温のまま撮影)

    サバ・トマレモの内観(常温のまま撮影)

立ち昇る匂いがいい

今日は室温が28℃もあるので、湯せんせずにそのまま開缶。予想通り缶汁は透き通っており、さばの身も柔らかそうだ。

おそらく室温が25℃を超えると脂分が固まらず、常温のままでもおいく食べられると思う。

それにしても、立ち昇る匂いがいい。トマト&レモンの匂いがさばの青臭さをかき消して、いい匂いだけを引き出している。これ、ひょっとして缶汁だけでもかなりウマいのではないか?

  • 缶汁の様子

    缶汁の様子

味が深い

いつもならさばの身を接写するんだけど、今回は缶汁が気になって仕方がない。そこで、スプーンでひと口分をすくって接写してみた。

トマトの赤い果汁が沈み、表層にはさばから出た脂(DHAとEPAの宝庫)が浮いている。そのまま口に入れると、トマトとさばのうまみが渾然一体(この場合は缶然一体が正しい)となっている。

そこにレモンの爽やかな香りと、ほんのりした苦味。味がとても深い。この缶汁は一滴たりとも残したくない。

  • パスタに缶汁ごと混ぜる

    パスタに缶汁ごと混ぜる

パスタに吸わせる

ふと思いつき、やおら台所に入ってパスタを茹でた。冷水で洗って水気をしっかり切ったところに、サバ・トマレモを缶汁ごとブチこんで混ぜる。

おいしい缶汁を、すべてパスタに吸わせようという魂胆であります。ちなみにパスタは普段よりも塩を利かせて茹でてある。

ほかにプチトマトとモッツァレラチーズも加えて、全体をがーっと混ぜる。急速に食欲が高まっており、やや焦りながら皿に盛りつけた。

  • サバ・トマレモの冷製パスタ

    サバ・トマレモの冷製パスタ

うまみの黄金比率

かくのごとし。オリーブオイルと塩コショウで味付けすれば、サバ・トマレモの冷製パスタの缶成!

思惑通り、缶汁を吸ったパスタがまことにおいしい。さばのうまみ(イノシン酸)とトマトのうまみ(グルタミン酸)が合体しているから、うまみに相乗効果が出ている。そこにレモンのクエン酸まで加わって、さらにうまみがUP!

この組み合わせはまさに黄金比率であります。さば自体も味が濃くてウマかった。

缶詰情報
清水食品/サバ・トマレモ トマト&レモン味 140g オープン価格(280円前後)
スーパーやオンラインショップ等で購入可