蒸し暑い日が続くと食欲不振になりがち。しっかり食べて体力をつけたいところですが、何かオススメの缶詰はありますか、博士?
「食欲をそそる爽やか味のさば缶はいかが? そのまま食べてもおいしいし、冷製パスタにしても最高ですぞ!」
爽やか味のさば缶? ちょっと想像しにくいですが、どんなさば缶でしょう?
レモンが目新しい
赤と黒の鮮烈な配色。その合間にレモンイエローの差し色。ひときわ目立つこのパッケージは、清水食品が3月に発売したさば缶「サバ・トマレモ トマト&レモン味」であります。
トマト味のさば缶は珍しくないけど、レモンを加えてあるのは目新しい。想像するに、トマトジュースにレモンをしぼり入れたような味だろうか?
ちなみに、この商品の姉妹品には「サバ・ガリバタ ガーリックバター味」がある(第247回「どうする缶汁?! ごはんにぶっ掛けるだけでおいしいサバ・ガリバタ缶」を参照されたし)。
一方はガリバタで濃厚こってり、こちらはトマレモでとことん爽やか。両極の味が揃っているわけだ。
立ち昇る匂いがいい
今日は室温が28℃もあるので、湯せんせずにそのまま開缶。予想通り缶汁は透き通っており、さばの身も柔らかそうだ。
おそらく室温が25℃を超えると脂分が固まらず、常温のままでもおいく食べられると思う。
それにしても、立ち昇る匂いがいい。トマト&レモンの匂いがさばの青臭さをかき消して、いい匂いだけを引き出している。これ、ひょっとして缶汁だけでもかなりウマいのではないか?
味が深い
いつもならさばの身を接写するんだけど、今回は缶汁が気になって仕方がない。そこで、スプーンでひと口分をすくって接写してみた。
トマトの赤い果汁が沈み、表層にはさばから出た脂(DHAとEPAの宝庫)が浮いている。そのまま口に入れると、トマトとさばのうまみが渾然一体(この場合は缶然一体が正しい)となっている。
そこにレモンの爽やかな香りと、ほんのりした苦味。味がとても深い。この缶汁は一滴たりとも残したくない。
パスタに吸わせる
ふと思いつき、やおら台所に入ってパスタを茹でた。冷水で洗って水気をしっかり切ったところに、サバ・トマレモを缶汁ごとブチこんで混ぜる。
おいしい缶汁を、すべてパスタに吸わせようという魂胆であります。ちなみにパスタは普段よりも塩を利かせて茹でてある。
ほかにプチトマトとモッツァレラチーズも加えて、全体をがーっと混ぜる。急速に食欲が高まっており、やや焦りながら皿に盛りつけた。
うまみの黄金比率
かくのごとし。オリーブオイルと塩コショウで味付けすれば、サバ・トマレモの冷製パスタの缶成!
思惑通り、缶汁を吸ったパスタがまことにおいしい。さばのうまみ(イノシン酸)とトマトのうまみ(グルタミン酸)が合体しているから、うまみに相乗効果が出ている。そこにレモンのクエン酸まで加わって、さらにうまみがUP!
この組み合わせはまさに黄金比率であります。さば自体も味が濃くてウマかった。
缶詰情報
清水食品/サバ・トマレモ トマト&レモン味 140g オープン価格(280円前後)
スーパーやオンラインショップ等で購入可