新商品のチェックは「いつも欠かさないぜ!」と軽くマウントしてくる缶詰博士の黒川氏。しかし実際は入手したまま、食べるのを忘れていることがあるそうです。
「この松屋の牛めし缶も、食べるタイミングを失ったまま放置しておりました。いや、お恥ずかしい」
今後マウントはご遠慮ねがうことにして、確か吉野家さんもごはん入りの牛丼缶詰を出していましたね。どんな違いがあるのでしょう?
積ん缶を開缶
本を読まずに積んでおくことを積ん読(つんどく)というが、僕の場合は積ん缶である。せっかく入手しても、食べないままで日にちが経ってしまうことがあるのだ。
この「松屋牛めし缶」もそんな積ん缶のひとつで、いつか吉野家「缶飯牛丼」と食べ比べしようと思っているうちに、缶飯牛丼を食べきってしまった。なので正確な比較が出来ないけど、缶飯牛丼を食べたときの記憶を探りつつ、食べ比べをしてみよう。
玉ねぎの量が多い
まずは開缶! 赤身と脂が層をなす牛薄切り肉と、透き通った玉ねぎスライスがお出迎えしてくれた。湯せんで温めたせいもあるが、甘辛い匂いが立ち上がってきて食欲をぐいぐい刺激する。
この時点で分かるのは、吉野家の缶飯牛丼よりも玉ねぎの量が多いこと。でも肉が少ないわけではない。単純に玉ねぎが多めなのだ。
ごはんの様子はどうか? 具を取り出してみよう。
白米を使ってます
具を取り出すと、下から現れたのはツユに染まった白ごはんだった。つまり白米だ。吉野家の缶飯牛丼は玄米を使っていたから、米の種類が違う。
ごはんの量は同じような気がするが、全体の内容量は吉野家の缶飯牛丼160gに対して、この松屋の牛めしは190g。松屋のほうが30gも重い。具の量はそれほど変わらないので、ごはんの量が重さの違いに出たと思う。
牛肉と玉ねぎの違い
牛肉の質もだいぶ違う。吉野家のほうはキメが細かく、繊維状に細くほぐれるので、赤身と脂身が渾然一体となっていた。一方、松屋のほうはそれなりの歯応えがあり、赤身と脂身の味の違いも分かった。
玉ねぎはさらに違って、トロトロに柔らかかったのは吉野家。松屋は柔らかいなかにもさくっとした食感が残っている。
味付けが気に入った
かくのごとし。中身を茶碗などに移すと崩れてしまうので、缶から直にいただくことにした。貧相に見えるかと思いきや、悪くない。ショウガを乗せたらさらに見栄えが良くなった。きっと缶のデザインがいいのだろう。
さて、この松屋の牛めし缶のいいところは、味付けである。砂糖しょう油の味がすっきりしているのだ。なので、食べていると牛脂の甘み、玉ねぎの甘みがよく分かる。
ちなみに、ごはんはおかゆ並みに柔らかいが、これは米の性質上、やむを得ない。一度炊いたごはんは、常温になって時間が経つと、生米のように固くなってしまうのだ。
だから水分量を多くして炊いて詰めるか(常温でも食べられる)、通常の水分量で炊いて詰めるか(湯せんしないと固くて食べられない)、どちらかであります。
缶詰情報
信田缶詰/松屋牛めし缶 190g 628円
同社の直販サイトや一部の店舗で入手可。