都内では河津桜が咲きましたが、北風が吹けば震えるほど寒くなります。まだまだ温かい料理が恋しいです。

「それなら缶詰で鍋料理はいかが?」と、缶詰を手にやって来たのは缶詰博士の黒川氏。「食べきりサイズで後片付けもラク。和牛入りでゴージャスですぞ!」

→これまでのお話はこちら

  • 黒潮町缶詰製作所/土佐あかうしのスジ煮込み鍋 95g 780円

    黒潮町缶詰製作所/土佐あかうしのスジ煮込み鍋 95g 780円

ただのスジ煮込みではない

「おひとりさま消費」というトレンドが起こったのは2021年頃だったか。今ではあまり使わなくなった言葉だけど、トレンドが終わったわけじゃない。その消費スタイルが世間にすっかり浸透したのだ。

そこで紹介したいのが、黒潮町缶詰製作所の「土佐あかうしのスジ煮込み鍋」缶。ただのスジ煮込みではなく、「鍋」と言っているところが勘所だ。これこそ、おひとりさま対応の缶詰なのであります。

  • 土佐あかうしのスジ煮込み鍋缶の内観

    土佐あかうしのスジ煮込み鍋缶の内観

厚揚げやコンニャクが鍋っぽい

まずは内観を見てみよう。牛スジ肉に厚揚げ、豆腐、コンニャクと4種の具が入っていて、赤唐辛子が散らしてある。

メインになるのは牛スジだが、厚揚げやコンニャクも入っているのが鍋っぽい。そして、立ち昇るのは紛うかたなき牛スジの匂いだ。それも、ちょいと甘めに煮た匂いであります。

  • 牛スジとコンニャクの様子

    牛スジとコンニャクの様子

味が染みてそう

牛スジは「土佐あかうし」が使われている。高知県内だけで繁殖されている和牛で、年間出荷量は約470頭。和牛全体の出荷量の0.1%と、かなりの希少種らしい。

コンニャクも高知県産で、包丁で切り目を入れたような細かいひだがついている。珍しい形状で、いかにも味が沁みてそう。

具の一つひとつに工夫が凝らされ、丁寧に収まっている。このミニマルな世界観、大好物です。

  • 熱々に温めていただく

    熱々に温めていただく

7大アレルゲン不使用

かくのごとし。耐熱容器に移して熱々に温めたら、よりゴージャスな佇まいになった。野菜も食べたかったので、芽キャベツを下に入れております。

まずは牛スジ肉だ。鼻先に持ってきただけでもうっとりするような牛脂の匂いがある。かめば肉の弾力、スジと脂のインモラルな舌触りがあり、甘く、かつ唐辛子のピリッとした刺激が味わえる。

コンニャクは想像以上に味が染みていて美味。ひだが付いたことで歯切れもいい。豆腐はなめらか食感で、厚揚げは表面の油っこいところ、内部の弾力の両方が味わえる。

忘れてはいけないのが、この缶詰が7大アレルゲン不使用で造られていること。ということはしょう油が使われていないわけだが(しょう油の原料の小麦もアレルゲン)、フツーにしょう油っぽい味付けなのが不思議。きっと、開発には大変な努力をしたのだろうなァ。頭が下がります!

缶詰情報
黒潮町缶詰製作所/土佐あかうしのスジ煮込み鍋 95g 780円
同社オンラインショップなどで入手可。