寒波が次々とやって来るこの冬。とくに寒い日には、辛いものを食べて体を温めたくなります。

「そんなあなた! 麻婆豆腐の缶詰なんていかがですか。辛口も甘口も揃ってますよ!」と、まるで通販のような口調で語るのは缶詰博士の黒川氏。麻婆豆腐の缶詰って珍しいですが、一体どんな缶詰ですか?

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  • イシカン/マーボー缶 辛口と甘口(各180g 石狩市外756円 市内648円)

    イシカン/マーボー缶 辛口と甘口(各180g 石狩市外756円 市内648円)

石狩の缶詰工場だからイシカン

北海道石狩市は聖地の一つであります。なぜなら、日本で初めて缶詰の商業生産が行われた土地なのであります。それは明治10年10月10日のことで、その日は「缶詰の日」として認定されている。

そんな石狩市で2020年に生まれたのが「イシカン」という缶詰メーカーだ。石狩という土地に誇りを持って、地元食材を活かした缶詰を製造している。今回はその中の「マーボー缶」を紹介したいのであります。

  • マーボー缶の内観 左:辛口 右:甘口

    マーボー缶の内観 左:辛口 右:甘口

紛うかたなき中華の匂い

マーボー缶には「辛口」と「甘口」の2種があるので、両方を開缶した。

とたんに台所が中華料理店の匂いで満たされる。それは何の匂いかと申せば、おろしニンニクとか、ネギとショウガを炒めた匂いとか、甜麺醤(テンメンジャン)とか、そういう匂いの複合体であります。

辛いものが比較的苦手な僕は、この匂いを嗅いだだけで汗が出た。と同時に、猛烈な食欲も出た。ちなみに時刻はまだ朝の10時。困ったものである。

  • 豆腐の様子

    豆腐の様子

豆腐好きに嬉しい

麻婆豆腐といえば豆腐が大事。そこで缶から豆腐を取り出してみると、この有様である。デカくて長くて、かなり珍しいカット方法といえる。

(ひょっとして、もう半分にするつもりだったのを切り忘れたのかな?)

そう思って他の豆腐を取り出すと、やはり同じ形である。よほどの豆腐好きがカットしたのでありましょう。僕も豆腐大好き人間なので、このカットは缶迎(歓迎)したい。

  • マーボー丼でいただく

    マーボー丼でいただく

豚ひき肉のうま味

かくのごとし。炊きたてごはんに乗っけてマーボー丼にした。あとは漬け物と汁があれば、昼飯には十分であります。

辛口のほうをいただくと、本当に辛い。舌が痺れるような辛みがあり、直後にショウガやネギ、ニンニクなどの中華的香味野菜群の風味が襲ってくる。辛みが強いから塩味も強め。圧倒的なパンチ力でごはんが進む。

一方の甘口は、辛みと塩味を抑えてあるものの、香味野菜群のパンチは強い。

両者に共通するのは、豆腐の濃厚さと、豚ひき肉のうま味である。豆腐はねっとり食感で食べ応えがあり、豚肉は小粒でもうま味が味わえる。石狩市で育つ「望来豚(もうらいとん)」が使われているそうだ。

缶詰情報
イシカン/マーボー缶 辛口と甘口(各180g 石狩市外756円 市内648円)
同社ECサイト(Yahoo!ショッピング)などで入手可