ネットにはいつも美味しそうな料理画像がアップされています。食べたことのない料理画像を眺めて「これは一体どんな味だろう?」と想像する時間もなかなか楽しいものですね。
今回は、缶詰博士がベトナムの名物料理「バインミー」を缶詰で再現します。実は博士は、これまでバインミーを食べたことがないそうです。正解の分からないままネットの情報だけで何とかそれらしく仕上げるという、とても不埒な(?)企画です。
食べたいから作ってみる
ちょっと前から、ベトナムのサンドイッチ「バインミー」が気になっていた。フランスパンに肉や野菜を挟み、ニョクマム(魚醤)を利かせてアジアンな味に仕立ててあるそうだ。
これまで食べたことはなかった。人づてに「あれはウマい」「一度は食べたほうがいい」などと言われ続けてきたのである。
そういう場合は自作するのが手っ取り早い。幸いネットにはいろんな人がレシピを載せている。それらを参考にして自分だけのバインミーを作ってしまおう。
使うのはホテイフーズの「とりつくね」。焼き鳥缶につくねが入った、知る人ぞ知る珍缶であります。今年の秋にリニューアルし、つくねが従来よりも粗挽きになって美味しくなったのだ。
材料はスーパーで揃える
とりつくね缶以外の材料は、市販のナムルとベビーリーフ、きゅうり、サンドイッチ用パン、魚醤とした。
本場のバインミーには大根と人参のなますが入ってるらしいが、なますを作るのが面倒なのでナムルで代用する。ネットを見ていたらそんな代替策が書いてあったのだ。
魚醤は秋田のもので、ニョクマムの替わりである。魚介を発酵させた点では両方とも同じだからモーマンタイである。
とりつくねがヤバいです
缶詰を開けると、たまらない匂いが立ち昇った。このまま食べてしまいたい衝動をぐっとこらえる。炭火で焼いた鶏肉に、一度素揚げした鶏つくねを合わせ(2コ!)、甘辛い醤油ダレにはさらに焦がし醤油を加えているという。
ああまずい、自分で書いていて興奮してきた。このまま食べてしまいたい衝動を再度こらえる。ともかく、料理にトリかかる。
かくのごとし。具を入れすぎてパンが開きそうになるが、これくらい入れないと気が済まぬ。これでとりつくね缶の約半量なのだ。ということは、1缶で2人分が作れるということだ。
さてこそ、いよいよ試食! 甘辛い鶏肉にピリ辛のナムル、ぱりぱりとした歯触りの野菜が三重奏を奏でてなかなか美味。
しかしその味は、「これ韓国料理だよ」といわれたら反論ができないほどナムル味が勝っている。
パンも微妙である。本当はバゲットを使う予定だったのに、近所のパン屋さんが今日に限って休業だったのだ。替わりに用いたパスコの超熟ロールはほの甘くて、全体的には高校の売店で食べた総菜パン的味わいになった。しかし不味いわけではなく、とても美味でありました。
何が正解なのかまったく分からないまま作ってしまうこの不埒な企画。やってみるととても面白かったので、また次も別の料理にトライしてみようと思う。乞うご期待!
缶詰情報
ホテイフーズコーポレーション / とりつくね たれ味(90g)
参考価格 180円(税別)
一部のスーパーやコンビニ、ネットショッピングなどで購入可
黒川勇人/缶詰博士
昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。