「こういうフルーツ缶詰が出るのを待っていたんだ、僕は!」と、倒置法で語りながらやって来た缶詰博士の黒川氏。両手にはカラフルな缶詰がたくさん乗っています。
「すべてリンゴ缶なんだけど、ぞれぞれフレバーが違っている。いったいどんな味なのか、もう期待しかない」
シラップは6種類
ミカンにパイン、白桃、リンゴと、種類が豊富なフルーツ缶詰。基本的にはシラップ漬けで、それ以外の製法で造られたものは滅多にない。2018年に明治屋が出した「日本のめぐみ まるごと無花果(いちじく)」は、シラップに紅茶(アールグレイ)を加えるという素晴らしいアイデアだったが、すでに終売してしまった。
そんな保守的なフルーツ缶詰業界に、突如として現れたのが「あおもりりんご缶詰」であります。青森県産のリンゴを6種類のシラップに浸け、それぞれ違うフレバーを楽しめるという趣向だ。
代表してジンジャーを紹介
6種類の内容は以下の通り。
・あおもりりんご ジンジャー/シラップは砂糖、レモン果汁、ジンジャーパウダーなど ・あおもりりんご 紅茶/シラップは紅茶と砂糖、レモン果汁など
・あおもりりんご あおもりカシス/シラップは青森県産カシスの果汁と砂糖
・あおもりりんご ラム酒/シラップは砂糖、レモン果汁、ラム酒など
・あおもりりんご りんごジュース/シラップは青森県産りんごジュース、砂糖、レモン果汁など
・あおもりりんご プレーン/シラップは砂糖、レモン果汁など
すべて紹介することができないので、代表して「ジンジャー」を紹介したい。僕がもっとも気になっているフレバーなのだ。
SDGsなフルーツ缶
フルーツ缶特有の甘い匂いが立ち昇る……と予想したけど、それだけではなかった。ジンジャー、すなわち生姜の香りがしております。
あおもりりんご缶詰には、従来のフルーツ缶にない特徴がある。それはシラップも使えるように工夫したことだ。例えば「紅茶」のフレバーなら甘いアップルティーのようだし、「ラム酒」のフレバーはカクテルのベースに使える。そしてこの「ジンジャー」は、炭酸水で割ればジンジャーエールになるワケ。
面白いアイデアだし、SDGs(持続可能な開発目標)にも合致していると思う。
ピリッとした刺激
かくのごとし。ジンジャーエールはシラップ1に対して炭酸水2の割合で割ってみた。そのジンジャーエールは、ほどよい甘さの奥に控えめな酸味があり、ジンジャーの香りも、それにならうがごとくマイルド。でもちゃんと生姜の風味だ。
リンゴ果実には、ちょっと驚いた。シラップと同じく、ほどよい甘さと酸味があるが、ジンジャーの風味がシラップよりもずっと強い。ピリッとした刺激が心地良く、大人の味であります。
缶詰情報
あおなび/あおもりりんご缶詰 各215g あおもりカシスのみ648円、他の5缶は432円
あおなびのネットショップで入手可