缶詰博士の黒川氏によると、地方初の「ローカル缶詰」が増えているそうです。その土地の名産品が詰まっているからお土産に便利。お取り寄せすれば旅行気分も味わえますね。
「ローカル缶詰を食べて、その土地に興味がわいて、実際に出掛けてみる。よくあるケースですよね!」
いえいえ、それは缶詰博士だけのケースだと思います。そんなことよりも今日の缶詰を紹介してください!
肝がキモ
今日の缶詰は「鰻肝の佃煮」缶であります。うなぎの身ではなく、肝だけが入っているのがキモだ(肝だけに)。
肝は普通レバーを指すと思うが、うなぎの場合は違う。腎臓や腸がくっついた胃のことを肝と呼ぶそうな。言われてみれば、ヒョロ長い管状のものがくっついていた気がする。
そして、うなぎ屋で食べる肝がたいてい「肝焼き」なのに対して、これは「佃煮」となっている。それもこの缶詰のキモだ(肝だけに)。
多くて嬉しい
さあ、いつものごとく缶ごと湯せんで温めて、開缶!
思ったよりも量が多くて嬉しい。ぷっくりと膨らんだ胃らしきもの、管っぽい腸らしきものがぎっしり詰まっている。それらの合間にあるモロモロしているのは生姜の粒だろうか(原材料を見ると生姜も入っているのだ)。
全体から漂うのは、甘辛〜い砂糖しょう油の匂い。紛うことなき佃煮の匂いだ。
きれいな水で育ったうなぎ
胃らしきもののサイズはこの程度。加熱して縮んだにしても、うなぎはもともと細長いお姿ゆえ、ご存命の頃から小さかったと思う。こんなものまで食べちゃう日本の食文化、嫌いじゃありません。
ところで、この缶詰には鹿児島県産のうなぎが使われている。うなぎの名産地といえば静岡県浜松市……と思っていたけど、生産量では鹿児島県が日本一なのだ。
鹿児島は水がきれいな土地だった。あの水で育ったうなぎなんだから、味も絶品だろうなァ。
酒もごはんもいける
かくのごとし。ぬか漬けと粉山椒を添えて"うなぎ屋で食べてる風"に整えた。まずはぷっくりした胃らしきものをいただきます。
あっ、ウマいですこれ。郷愁を誘う甘じょっぱい味が来て、すぐに生姜の匂いも来て、飲み下す頃にはほんのりした苦みが来る。清酒が欲しくなる味だ。
一方、腸らしきものには苦みがなく、むちっとした食感がある。細かい生姜の粒がたっぷりまとわりついているから、甘じょっぱい味も濃い。こっちは白ごはんが食べたくなる味だ。
最後に粉山椒を掛けたら、胃も腸も味がきゅっと引き締まった。爽やかな香りも加わって、気分は一気にうなぎ屋であります。やっぱり清酒が欲しくなるな。
缶詰情報
薩摩川内鰻/鰻肝の佃煮 60g 2缶2,000円
ネットショップなどで入手可