夏の疲れがどっと出てくるこの季節。簡単でも美味しいご飯をちゃんと食べて、食欲の秋に備えたいものですね。
今回は、鹿児島県の郷土料理「鶏飯(けいはん)」を缶詰でアレンジしてみました。食欲のないときでもさらっと食べられるだし茶漬けで、具が鶏肉だから疲労回復にもってこいですよ!
鶏肉にうットリ
子供の頃、クリスマスの鶏もも焼きが何よりの好物だった。足先につけてある白い紙のくるくるしたやつ(名称不明)をはぎとって、骨までしゃぶって食べ尽くした。
ケンタッキーフライドチキンが登場したあとは、バケツと呼ばれる大箱を一人で抱えて食べるのが夢だった。一度もやったことないけど、いつかはやってみたいと、50歳を超えた今でも思っている。
何となれば……。缶詰でも鶏が原料と聞くと、居ても立ってもいられない。どんな鶏なのか、味付けはどうしたのか。製法は焼きなのか、煮なのか。もう気になってしょうがないのだ。
今日紹介する缶つまレストラン「マテ茶鶏のオリーブオイル漬け」は、鶏缶の中でもひとつの頂点を極めたスター的存在だ。鶏肉は加熱すると身が固くなりがちだが、この缶詰にはそれがない。
「マテ茶鶏」というのは、エサにマテ茶の茶葉や茎を混ぜこんで育てた鶏のこと。ビタミン類が極めて豊富に含まれるマテ茶を食べた鶏は、鶏特有の臭みがなく、加熱しても身肉がうっトリするほど柔らかい。
ひょっとして、酒好きの僕なんかよりずっと健康なんじゃないかと思う。そんな肉を、ワインとにんにく入りのエクストラバージン・オリーブオイルでコトコト煮てあるのだ。
かくのごとし。残りご飯を器に盛りつけてから、上にマテ茶鶏をのせ、錦糸玉子をのせ、小口切りのねぎと紅しょうが、炒りごまなどものせて、だし汁を静かに注ぐんであります。最後に缶汁(オイル)を好きなだけかければ缶成!
この料理の缶所(勘所)は最後のオイル。マテ茶鶏を煮込んだオイルには、鶏のエキスも溶け込んでいるし、にんにくとワインが利いているからオイル自体が美味しい。それが絡まった白いご飯はつるつる、さらさらと舌触りもよく、胃の奥まで一直線に飛んでいってしまう。食欲がないときでもぺろっといけちゃいますぞ。
缶詰情報
国分グループ本社 / 缶つまレストラン・マテ茶鶏のオリーブオイル漬け
希望小売価格 460円(税別)
日本橋の国分直販店「ROJI」やネットショッピングなどで購入可
黒川勇人/缶詰博士
昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。