じめじめとした天気が続くようになりました。こんな時期はすっきり爽やかな食べ物が欲しくなりますが、何かおすすめの缶詰はありますか、缶詰博士?
「すばりフルーツ缶でしょう! それもシロップの甘さが控えめで、果肉がまるでゼリーのような紅まどんな缶はいかがでしょう?」
紅まどんなといえばみかんの仲間で、まだ新しい品種ですね。それが缶詰になっているとは知りませんでした!
ぷるっとした果肉が特徴
「みかん缶」と聞くと、おじさん世代はきまって顔を斜め40度上に向け、ほろ苦い笑みを浮かべる。それから急にしゃべり出すのだ。「風邪を引いた時にしか食べられなかったなァ」とか、「甘ーいシロップをごくごく飲んだっけ!」等々。みかん缶は、おじさんにとって郷愁そのものであります。
だが、しかし。今日紹介する国分「にっぽんの果実 紅まどんな」は違う。紅まどんなはみかんの一種ではあるけど、2005年に品種登録された新しい品種なのだ。だから郷愁なんてまるで浮かばず、それよりも「どんな果実なのか?」という期待のほうが大きい。
紅まどんなの特徴は、何と言っても食感であります。「まるでゼリーのよう」と形容されるくらい、果肉がぷるっとしているのであります。
内皮付きが新鮮
まずは見た目を確認したい。通常のみかん缶は内皮をきれいに剥いてあるけど、紅まどんな缶は内皮が付いたままだ。
それにカットも独特で、丸い状態から4等分したような形で収まっている。これらはすべて、果肉の食感を味わうための工夫であります。
手間が掛かっている
内皮をよく見ると、みかん特有の白いスジの跡がある。しかし跡であって、スジそのものが残っているわけではない。ということは、スジは手作業で取り除いたのだろうか? もしそうなら、ずいぶんと手間が掛かっているみかん缶であります。
かくのごとし。生クリーム(ホイップ)に紅まどんなを合わせてみた。これで1缶の約1/2の量であります。
まずは、クリームが付いていない紅まどんなをいただく。内皮の抵抗はほとんどなく、柔らかく噛み切れた後ですぐに果肉に到達する。その果肉が、まさしくゼリーのようで気持ち良い。通常のみかんは小さな粒がプチプチ弾けるけど、紅まどんなは房全体がぷるっぷるである。
味は、心地良い酸味があって、その内側に甘味がある感じ。蒸し暑い時期には特に欲しくなる味だ。それが生クリームと合わさると、コクと甘味が加わることで、一気にデザート感が強くなる。何というか、ショートケーキの上の部分だけを食べてるようであります(贅沢すぎ)。
最後に、缶に残ったシロップを飲んでみた。かつてのヘビーなシロップとは違って、果汁をちょっとだけ甘くしたような味だ。あっという間に飲み干してしまい、郷愁はまったく浮かばなかった。
缶詰情報
国分グループ本社/にっぽんの果実 紅まどんな 185g 507円
国分のショッピングサイト「ROJI」などで購入可(ROJIでは510円で販売)