缶詰を取材するために、いつも全国を飛び回っている缶詰博士。先日は高知県に行って、工場や生産地を見学してきたそうです。
「いやー、工場の話もしたいんだけど、その帰り道に珍しい缶詰を見つけちゃいまして。これ、おいしそうでしょ!」
うきうきと語る博士の手には「やきとり」と書かれた缶詰が。コンビニでよく見るやきとり缶詰と、どこが違うんですか?
大好きな土地
高知県って面白いですねェ。県土の84%が山林という険しい土地ながら、わずかな平地で生み出される農産物や工業品が、全国に名を轟かせている。
しょうが、なす、ししとうは生産量日本一だし、高級自動車「レクサス」の竹製ハンドルも造っていたりする(高知県産竹を使用)。日本三大和紙のひとつ「土佐和紙」は、1000年を超える歴史があるそうな。
県民性も朗らかで、自主独立の精神が強い。そして酒に強い(笑)! 大好きな土地であります。
そんな高知県の、とあるスーパーで見つけたのが「やきとりゆずぽん酢味」。初めて見るやきとり缶だが、製造はホテイフーズだった。
柚子こしょう味とどう違う?
軽く湯せんして温めてから、開缶!
ゆずぽん酢の香りがきりっと立っております。でも酸味だけじゃない、甘さを思わせる匂いもしている。ということは、甘酸っぱい系統か?
と、ここで思い出した。ホテイフーズのやきとり缶なら、同じゆずを使ったバージョンに「柚子こしょう味」がある。どう違うのか?
柚子こしょう味はレア
やきとり柚子こしょう味は、ホテイフーズのやきとり缶シリーズの中でも、かなり好きな味付けだ。スーパー、コンビニではあまりお目に掛かれないレア感もある。
これも軽く湯せんして、さっきのゆずぽん酢と並べてみよう。
塩味ベースとたれ味ベースの違い
こうして並べて、匂いをスンスンして、分かりました。柚子こしょう味(写真右側)は、塩味をベースにして、柚子こしょうを利かせてあるのだ。だから匂いに甘さは感じない。食べてみても、お味はすっきりとしてどこまでも爽やか。柚子こしょうのピリ辛い味と塩味がはっきりしている。
それに比べて、ゆずぽん酢味(写真左側)は、砂糖しょう油がベースになっている。タレの色もしょう油色で、透明な柚子こしょう味とはまったく違う。
思わず舌を鳴らしたくなる
ゆず味同士を比較したら、話がややこしくなった。今日の主役はゆずぽん酢味である。温かいうちに早速いただく。
やきとりたれ味と同じ甘じょっぱさがあって、その上にゆずぽん酢の風味が乗っている。思わず「ピタッ」と舌を鳴らしたくなるような、後を引くウマさだ。
ゆずぽん酢の味は肉の奥まで染み込んでいて、噛むごとに甘酸っぱい味が湧き上がる。ああ、午前中からこんなものを食べてしまって(まだ10時だ)、一体オレはどうなるのか。
清酒の1本も呑まなけりゃあ、気持ちが収まらないではないか。本当に困った缶詰だ。
缶詰情報
旭フレッシュ(販売)/やきとりゆずぽん酢味 70g 170円
同社のネットショッピングなどで購入可