最近はデザインの可愛い缶詰が増えて、思わず"ジャケ買い"することがあります。
そんな缶詰は食べるのが惜しく、何となくキッチンに並べたりしていましたが、ある日ふと気付きました。保管するなら冷蔵庫に入れたほうが長持ちしそうです。
缶詰博士、缶詰の正しい保管場所ってどこですか?
講演会でよく聞かれる質問に「缶詰はどこで保管すればいいか?」というものがある。レトルト食品なら、箱に「直射日光を避け常温で保存してください」などと書かれているけど、缶詰にはそのような表記がほとんどないから、ちょいと迷うところだ。
缶詰の保管場所は、レトルト食品と同じであります。屋内で、直射日光の当たらない場所ならだいたい大丈夫。ただし、絶対に避けるべき場所もある。
缶の敵は水分
まず、冷蔵庫での保管はNGだ。冷蔵しておけば、より長いあいだ保存できるような気もするけど、そんなことはない。
それよりも、缶が錆びるほうが問題であります。というのも、冷蔵庫は扉を開けるたびに、部屋の空気(庫内よりも相対的に温かく湿っている)が入り込む。
この時、冷たくなった缶の表面に、細かな水滴が付くのだ(結露)。缶は金属製だから、その水分を放置すれば錆びてしまう。
唯一、冷蔵庫で保管すべきなのは「アンチョビ」の缶。実はアンチョビは缶詰ではなく、正確には「缶入り発酵食品」となる。塩漬けで発酵させたイワシを、油と一緒に缶に入れ、密封しただけなので、常温のまま長期間おくと、発酵が進んでいわしが溶けてしまう。
また、フルーツ缶を冷やしたい時には、食べる30分前に入れればOK。くれぐれも入れたことを忘れて放置しないように!
1軒家の1階にある床下収納庫はNG
床下収納庫に缶詰をストックしているご家庭も多いと思うが、これも場合によってはNGとなる。もっとも避けたいのは、1軒家の1階にある床下収納庫。地面から上がってくる湿気が入りこみやすいのだ。
僕が幼時に住んでいた家にも、同じ造りの床下収納庫があった。底の部分に大事にしまっておいたコンビーフが、1年後にはぼろぼろに錆びてしまったのを憶えている。錆は内部まで達していたので、そのコンビーフは捨てるしかなかった。悲しい思い出であります。
直射日光が当たる場所は避ける
ということで、缶詰の保管場所で一番のオススメは、台所やダイニングに置かれた棚の中だ。とくに食器棚など、普段からよく開け閉めする場所なら、湿気がこもりにくくて安心であります。ただし、直射日光が当たる場所は避けたほうがいい。
納戸やクローゼット、押し入れに保管するのもアリ。時折、戸を開けるなどして、なるべく湿気がこもらないようにするべし!