空腹で目が回りそうだけど、料理をする時間がない。そんな時に頼りになるのがレトルトカレーです。具が足りない時には缶詰をミックスしたりしますが、「それもアリです!」と肯定するのは缶詰博士。もっともこの人、缶詰愛が強すぎるので、缶詰を使う料理ならすべて「アリ」と言うでしょう。
「レトルトカレーで画期的な商品が出たんです。さっそく食べてみましょ!」と張り切っていますが、おや? 缶詰博士なのにレトルトを紹介していいんですか?
さば缶を使うのが前提
押しも押されもしない水産会社、マルハニチロ。缶詰の知名度でも日本トップクラスで、全国のスーパー、コンビニに同社製缶詰が並んでおります。
紛うことなき大企業なんだけど、売り出す商品はユニークなものが多くて見逃せない。今日紹介する「さば缶とたべるトマトスパイスカレーの素」も、驚くような発想で作られている。
それは何と、さば水煮缶を使って調理するのが前提の、言わば"さば缶専用"レトルトカレーなのであります。だからこの連載で取り上げても問題ないのであります。
スパイスの香り豊か
さっそく開けてみましょう。って言っても、この連載でレトルトパウチを開けるのは初めてのことであります。新鮮な気持ちで開封!
うん、よく見るレトルトカレーと同じ眺めだ。でも、香りが予想以上にスパイシー。とくにクミンとカルダモン(多分)の芳香が素晴らしいです。
スープカレーっぽい
耐熱の深皿にさば水煮缶を汁ごとあけ、上からレトルトの中身を掛ける。どんなカレーになるのか想像がつかないので、取りあえずアレンジはせず、説明書き通りに作ってみるのだ。あとはラップをして電子レンジで加熱すればよし。500wで約2分、600wで約1分40秒であります。
カレーは粘度が薄く、まるでスープのよう。あらためてパッケージを眺めてみたら、ちゃんと「スープスタイルカレー」と書いてあった。
さばの脂がミルキー
かくのごとし。レンチン前の画像と変わっていないように思えるが、よく見るとスープの量が増えている。加熱でさばから水分が出たのだ。
カレーのスパイシーな匂いと、さば特有の青っぽい匂い。両者が溶けあうわけではなく、それぞれに匂いを主張している。
(大丈夫か、これ?)
スプーンでさばとスープをすくって、ひと口……。
やだこれ、おいしいじゃないの!
特に、さばの腹身とスープの組み合わせが抜群にウマい。さばの脂がミルキーに感じられるのであります。
やだこれ、すっごいおいしいじゃないの!
試す価値アリ
塩気がしっかり利いているので、間違いなく白ごはんの出番だ。皿に盛ったごはんにカレーをしゃばしゃばと掛け、さばの身を乗せて、いただきます。
辛さはかなり控えめだ。でもスパイスの香りは豊かで、トマトと玉ねぎの澄んだうま味がある。ゆえにコクのあるカレーではなく、対極のすっきり爽やかカレーであります。
このさば缶専用シリーズは他にもあって、「さば缶とたべるスンドゥブの素」、「さば水煮缶まるごと使うアクアパッツァ風スープ」、「さば水煮缶まるごと使うミネストローネ」の計4種類が出ている。ぜんぶ試す価値アリですぞ!
缶詰情報
木の屋石巻水産/牡蠣の水煮(内容総量125グラム)
参考価格/560円(税込)