「パタゴニアからまたまた新しい缶詰が出ましたぞー!」と、満面に笑みを浮かべて駈けてくる缶詰博士。何も駈けてこなくてもいいと思うのですが、この人にとってはよほど嬉しいことなんでしょう。

「今度はアンチョビ缶です。でも例の塩辛いアンチョビ缶じゃなくて、どっちかというとオイルサーディン缶ぽい」

えーと、何を言っているのかよく分かりませんので、きちんと文章で解説していただきましょう。

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  • パタゴニア・プロビジョンズ/スパニッシュ・ホワイト・アンチョビ 120g 上はソーステッドガーリック味、下はレモンオリーブ味 各842円

    パタゴニア・プロビジョンズ/スパニッシュ・ホワイト・アンチョビ 120g 上はソーステッドガーリック味、下はレモンオリーブ味 各842円

持続可能な漁法で獲られた原料

アウトドアブランドの雄、パタゴニア。その食品事業部がパタゴニア・プロビジョンズであります。これまでサバ缶とムール貝缶を出していて、この8月26日(2021年)には新商品「スパニッシュ・ホワイト・アンチョビ」も発売。今回はそのレポートであります。

どの缶詰も持続可能な漁法で獲られた原料を使っていて、このアンチョビ缶もスペイン北部沖で必要な数だけ捕獲している(もともとの群れも個体数豊富)。

環境保全に積極的なパタゴニアらしい缶詰なのだ。

  • レモンオリーブ味の内観

    レモンオリーブ味の内観

カタクチイワシの英語読みがアンチョビ

味付けはローステッドガーリック味とレモンオリーブ味の2種類があるので、今回は代表してレモンオリーブ味を開缶!

と、中身の前にまずは"アンチョビ"の話であります。この缶詰はアンチョビと名が付いているけど、例のしょっぱいアンチョビじゃない。しょっぱいほうは、主にカタクチイワシをさばき、生のまま塩漬けにして缶に詰めた後、加熱殺菌しないまま売り出される。いわば「缶入り塩漬けイワシ」で、正確には缶詰じゃないのだ(缶詰の定義は密封後に加熱殺菌)。

それに対してパタゴニアのスパニッシュ・ホワイト・アンチョビは、密封後に加熱殺菌しているから、ちゃんとした缶詰。

「じゃあさ、どうしてアンチョビなんて名前なの?」

と疑問に思う方もいると思うが、実はカタクチイワシの英語読みがアンチョビなのだ(Anchovy)。実にマニアックな話題ですなァ(こういう話、大好物です)。

  • 缶底に潜むレモンとオリーブ

    缶底に潜むレモンとオリーブ

爽やかな酸味

レモンオリーブ味の原材料はカタクチイワシ、オリーブ油、オリーブ、りんご酢、レモン、食塩だ。

「ふんふん」と読み飛ばしそうだけど、オリーブとレモンに目が止まる。フタを開けた段階では、両方とも見えなかった。

しかしイワシをどかしてみると、何と。スライスしたレモンとオリーブが缶底に潜んでいるではないか。ちょっと嬉しい光景であります。

どかしたイワシを頬張ってみると、イワシ特有の繊細な身肉がほろほろ崩れ、かむたびに爽やかな酸味がにじみ出る。レモンとりんご酢のおかげでありましょう。

  • イワシのパスタにしてみた

    イワシのパスタにしてみた

かくのごとし。1缶の半量を使い、1人前のパスタにしてみた(ひとりランチだったので)。味付けは缶のオイルのほか、パスタを茹でるときの塩と、最後に散らしたレッドペッパーのみ。

これ、イワシもおいしいけど、オイルがかなりおいしい。レモンとオリーブ、イワシの風味がオイルにもしっかり出ていて、その爽やかさ&コクをまとったパスタがたまらなくウマっ。フォークが止まりませんぞ。

缶詰情報
パタゴニア・プロビジョンズ/スパニッシュ・ホワイト・アンチョビ 120g 842円
パタゴニア・プロビジョンズのショッピングサイトなどで購入可。