旅行にも行けない今のご時世、バーチャル観光やオンラインツアーが人気だそうです。食品や飲料も旅行気分を味わえる「お取り寄せ」が花盛り。

「缶詰だって負けてませんよ。この缶詰ひとつでポルトガル気分を味わえます!」と鼻息も荒く話すのは缶詰博士。その右手には確かにポルトガル文化の代表、アズレージョ(タイル)を模した缶詰が。それ、どんな缶詰ですか?

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  • カルディコーヒーファーム/海老のアヒージョ ポルトガル風 60g 300円

    カルディコーヒーファーム/海老のアヒージョ ポルトガル風 60g 300円

中身もきっとポルトガル

ポルトガルは世界に名だたる缶詰大国であります。オイルサーディン、ツナ、パテなどを並べる缶詰専門店がいくつかあり、その中にはポルトガル缶詰協会が運営している店まである。他にも、缶詰料理専門店や、専門まではいかなくても缶詰をアレンジして出してくれる店が数多くある。

つまり、ポルトガル人は缶詰を愛しているのだ。いいなあいいなあ。
と、そんなことを考えながらカルディを探索していたら、目にとまったのが「海老のアヒージョ ポルトガル風」という缶詰。パッケージにもアズレージョが描かれているし、中身もきっとポルトガルを思わせる味でありましょう。さっそく購入!

  • 海老のアヒージョ ポルトガル風内観

    海老のアヒージョ ポルトガル風内観

家に帰ってすぐさま開缶! 目に飛び込んできたのはカラ付きのエビ(けっこう大きいのが3尾)とマッシュルーム(3つ)だ。全体に赤唐辛子らしき小片が散らばっていて、エビ色に染まったオイルに浸っている。

立ち昇る匂いは、まさしくエビ。それも、カラごと香ばしく加熱した匂いであります。

エビを頬張ると、ショリショリしたカラの奥から柔らかい肉が出てきた。ぷりぷりとは言えない、もっと柔らかい食感であります。かむとにんにくの利いたアヒージョ的オイルが湧き出してくる。

マッシュルームのほうもオイルをたっぷり吸っている。レトルトのマッシュルーム特有の臭み(ちょっと酸味を思わせる匂い)もなし。素晴らしい!

  • 耐熱容器に移して加熱

    耐熱容器に移して加熱

かくのごとし。耐熱容器にオイルごと移し、オーブントースターでオイルが熱くなるまで加熱した。にんにくの香りが立ち、よりいっそうアヒージョらしくなった。ついでに、冷蔵庫に残っていたルッコラを刻んでトッピング。本当は生のディルを使いたいところだけど、そんなお洒落なものは常備しておりませぬ(ポルトガルでは魚介缶にディルを合わせる店が多かった)。

こうしていただくと、全体の味はどちらかといえば穏やか。辛さも控えめだし、にんにくもきつくない。そこは素朴さがウリのポルトガル料理っぽい気がする。

白ワインと一緒に味わっていると、取材で訪れたリスボンの缶詰専門店や、ポルトの缶詰工場を思い出した。またポルトガルに行くなら、どの街に行こうかなァ……。

などと妄想旅も可能なこの缶詰。製造は山口県岩国市にある「丸兼食品」であります。一度取材に伺ったが、素材の食感を生かす独特のノウハウをお持ちの素晴らしいパッカーさんであります。

缶詰情報
カルディコーヒーファーム/海老のアヒージョ ポルトガル風 60g 300円
カルディ店舗やオンラインストアで購入可