かつて、缶詰博士が「もし寿司が缶詰になったら、オレ心から尊敬するね」と言っていました。「でも夢の話だろうなー。寿司は生ものだし、生ものは缶詰にならないし」とも言っていたのですが、何と大阪の和食店が商品化したそうです。
「ヤバい、オレ死にそう……」喜びに震える缶詰博士に、さっそく試食してもらいました!
寿司は生ものだけじゃない
我々は寿司に対する認識を改めねばならぬ。生ものネタだけが寿司じゃないと。この「シャリ缶」を前にして、僕はそう思ったのであります。
煮穴子は定番だし、エビやホタテも生だけでなく煮たやつがある。大阪や京都の「箱寿司」は、そうした加熱したネタ(卵焼きもあったな)を彩りよく盛りつける美しい寿司であります。
で、その大阪の「壽圭(じゅけい)」という和食店が考案したのが、この「シャリ缶」シリーズ。パチパチパチ(拍手音)!
材料はシンプル
シャリ缶は6種類も揃っている。魚系が鯛、鰻(ウナギ)、鯖(サバ)で、肉系が但馬牛と名古屋コーチン、あとは湯葉(ゆば)だ。
鯛の原材料を確認すると、玄米と真鯛、合わせ酢、調味料(アミノ酸)とシンプル。たったそれだけの材料で作っているらしい。
がぜん興味が沸いてきたぞー。さっそく開けてみよう。
切り身がころころ
さっそく立ち昇るのは酢飯の匂い。きつい匂いではないが、加熱後にこれだけ酢の匂いが残っているのはすごい。米は玄米を使っており、胚芽が残っているのが見える。鯛は切り身状態でころころと乗っている。
他のシャリ缶も見たくなってきた。但馬牛も開けちゃおー。
甘い脂の匂い
牛肉がシャリ全面を覆っている様を想像したが、そうじゃなく炊き込みご飯的な佇まいだった。そりゃそうだ、牛丼じゃないもの。
鯛と違って、肉の匂いがモー烈(猛烈の意)に迫ってくる。それも和牛特有の、甘い脂の匂いであります。
鯛のうまみ
かくのごとし、鯛の中身を全量盛りつけてみた。内容量が160gあるから、ほぼほぼご飯茶わん1杯分になる。
シャリはけっこう甘酸っぱく、鯛のうまみも染み込んでいる。玄米特有のプチプチ食感があるけど、固いわけじゃない。ちゃんと炊けてます。
鯛そのものは煮締まっており、例えて申せば、披露宴の引き出物にある鯛の煮付け(冷めたやつ)みたいな味だ。
思った以上にちゃんと寿司
但馬牛は内容量155gと、鯛より5gだけ少ないが、やはりご飯茶わん1杯分の量がある。
玄米の一粒一粒が甘い牛脂でコーティングされている。かめば中から合わせ酢の味も出てくるから、かなりにぎやかな味だ。牛肉そのものは赤身と脂身が混ざり合い、かむ間もなく溶けていく。甘辛いしぐれ煮的な味がとってもいい。
ということで、夢にまでみた寿司の缶詰を2品、いただいてみた。思った以上に、ちゃんと寿司。それも関西方面の寿司の味。
木枠に詰めて、軽く押して、四角く整えたのを6種類並べたら、きっと箱寿司そのものでありましょう。
缶詰情報
壽圭(じゅけい)/シャリ缶 155g〜160g 6種6缶セット 3,564円