日本各地に存在するご当地缶詰。郷土料理が詰まっていて、食べるだけでその土地を旅した気分になれます。今回、缶詰博士が紹介するのは青森県八戸市の「すき昆布」という缶詰。
「こんな料理まで缶詰になっているなんて!」と博士も驚くその中身とは、一体どんなものでしょう?
これでも缶詰博士です
缶詰博士と名乗っていても、まだ知らない缶詰が幾つもある。特にご当地缶詰がそうで、土地の人に教えてもらわないと未知のままであります。
この「すき昆布」も、八戸市の特派大使をしている吉岡リサさんという方に教えていただいた。
「博士、この缶詰を知ってますか?」
「むっ。存じ上げませぬ」(知らなくて悔しい)
「えっ、博士なのにご存じない?」
「いかにも」(悔しい)
「じゃあ送りますので、ぜひ召し上がってください」
……これでも缶詰博士です。
昆布ぎっちり
未知の缶詰=わくわくが止まらない。なのでさっそく開缶!
昆布がぎゅうぎゅうに詰まっている。その上にはみがきにしんの切り身も。
八戸市の鮫浦漁協が養殖している昆布を細く刻み、にんじん、ごぼう、みがきにしんと一緒に甘辛く煮付けたものだそうな。
掘ってみる
刻んだ昆布は長いもので10cm以上もある。それがぎゅうぎゅうに詰まっているので、少しずつ取り出す。いや、取り出すというより"掘る"と言った方がふさわしい。
どんどん掘っていくと、奥のほうににんじん、ごぼうの切り身と、再びみがきにしんが現れた。
量!
全部掘り出したらこのありさま。量! 量がおかしい。缶のサイズは200g入りさば缶と同じサイズで、それなりの大きさなんだけど、それにしてもこの量はおかしい。多すぎる。
ひょっとして、掘ってる途中で昆布が増殖したのだろうか?(そんなわけない) 昆布の匂いが家中に拡がる。いかにもうまみが濃そうな、白ごはんが欲しくなる匂いだ。
かくのごとし。こういう食べ方が正解だと思う。熱々ごはんに乗ったことで昆布が温まり、さらにウマそうな匂いが迫ってきた。いただきます!
昆布は柔らかく、かつシャクシャクした歯触りも残っている。いい炊き具合であります。うまみは予想通り濃い。うま味調味料の味もあるけど、それもまたよし。
みがきにしんは、小さいながらもみがきにしんであり、いかにもみがきにしんらしい滋味が味わえる(当たり前だ)。
それにしても量! やっぱり量がおかしい。これで缶の半量ですぞ。
缶詰情報
八戸鮫浦漁協/すき昆布 190g 価格400円(税込)
八戸市水産科学館「マリエント」の売店で購入可(ネットショッピングでは見つけられませんでした)