これまで食べた缶詰総数は約5万缶。世界50ケ国、1,200種類以上もの缶詰を知る缶詰博士ですが、今でも好きなのはさばの水煮缶だそうです。多いときはほぼ毎日食べるとか。 そんなに食べ続けても飽きないのはなぜなのか、聞いてみました!
部位によって味が変わる
幼いころ、毎日のように食卓にのぼったのは、さばの水煮缶だった。
ごはんの上に身をのせ、しょう油をたっぷりかけると、それだけでごはんが進んだ。
腹の脂っこいところ。背身の引き締まったところ。ほろほろ崩れる中骨。部位によって味が変わるのも好きだった。
幼い頃にひんぱんに食べたものは、その反動で大人になってから嫌いになることが多いらしい。
でも僕は、いまだにさば水煮が大好きであります。
冷凍原料は不使用
例えば、宮城県石巻市の「木の屋石巻水産」が造る彩・金華さば水煮。スタンダードな金華さば缶(600円)よりも小振りのさばが使われるけど、脂の乗った最良の個体を使うのは変わらない。
朝に水揚げされたさばを、その日のうちに生詰めする(つまり冷凍原料は使わない)のも特徴だ。
そうして愛情込めて造られたさば缶だから、あだやおろそかには扱えない。ひと口大にカットして、お気に入りの皿に盛りつける。これで1缶の半量くらい。
チューブわさびじゃもったいない
この日のために用意した本物のわさびをすりおろす。すなわち、金華さばをわさびしょう油で味わおうという魂胆であります。
何しろ高級ブランドの金華さば、チューブわさびじゃあもったいない。
いや、本当はチューブわさびもよく使うんだけど、たまにはこうして本物を使いたいじゃないですか。
さばの上にわさびをトッピングして……。
かくのごとし。とある昼ごはんの風景であります。
しょう油をかけてからひと口分を取り上げ、白ごはんにOn。間髪を入れず口中へIn!
さばに臭みがないのがすごい。さすが冷凍原料不使用であります。
しょう油をかけたのは、しょう油とさばの脂が混ざった風味が個人的に好きだから。わさびの清涼な香り、辛味まで加わって、まさに口福。
さば水煮缶のもっとも好きな食べ方が、これなのであります。さらにここにオリーブ油をかけてもウマい。そうなると生野菜に合うので、いっそサラダにする手もある。
わさびしょう油ではなく、ポン酢しょう油もいける。しょう油系はいっさい使わずに柑橘(ゆずとか)の果汁をたっぷりかけても美味。もともと塩味は付いているのだ。
ということで、さば水煮缶はちょい足しの味変(あじへん)だけで飽きることがない。まさに常備食なのであります。
缶詰情報
木の屋石巻水産/彩・金華さば 170g 税込み480円
同社直販サイトで購入可