各地のごちそうがそろう「ふるさと納税」の返礼品。カタログを眺めているだけでも楽しいですが、近年はなんだか缶詰が増えているような気がします。
「ほほう、よくぞ気付きましたな!」と、いつものドヤ顔でやって来たのは缶詰博士。「市場にはなかなか出回らない缶詰もあるから、缶詰マニアとして見逃せないんですぞ!」
そ、そうなんですね。私は博士ほどマニアじゃないので見逃しても構わないんですが、でも面白いのがあったら知りたいです。教えてください!
最強豚、なのか?
ふるさと納税の返礼品で知ったこの缶詰。豚肉のアヒージョなのだが、商品名が面白い。「ロイヤルストレートフラッシュポーク・アヒージョ」というのだ。
ロイヤルストレートフラッシュポークは、北海道余市町のブランド豚らしい。「肉質が柔らか。煮ても焼いても甘く、上品な味わい」だそうだ。
それにしても、ロイヤルストレートフラッシュ(長いな)といえば、ポーカーの手の名前。それも最強の手である。つまりは"最強豚"を意味するのか?
食べ方ご指南
中身を検証する前に、箱の側面にあった注意書きに目がいった。「鍋で温めてお召し上がりください」とある。
実に正しい注意書きであります。アヒージョは、オリーブ油で具材を熱々に煮込んだ料理だ。それもにんにく、唐辛子が入っているから、熱々の状態の方が絶対においしい。ゆえにこの表記。余市の人びとの心遣いでありましょう。
匂い!
さあ今日も元気にまいりましょう、開缶!
と、途端ににんにくの香ばしい匂いが襲いかかってきた。その力量はハンパじゃなく、一気に部屋中に拡散した。思わずめまいをおぼえ、倒れそうなるのをこらえる。むろん、食欲を刺激された結果の反応であります。
染みこむ
かくのごとし。耐熱容器に缶の中身をすべて入れ(オリーブ油も全量)、冷蔵庫に残ってたブロッコリーも入れ、魚焼きグリルで加熱してから、パンと一緒に盛りつけた。 そうして頬張ってみれば、ロイヤルストレートフラッシュポーク(長い)は確かに肉が柔らかい。きめが細かいのだ。
もともと、豚肉は加熱すると固く締まる。このロイヤルストレートフラッシュポークも(長いな)その傾向はあるが、オリーブ油をまとっているから、しっとりしている。アヒージョという調理法が合っているわけだ。
ロイヤルストレートフラッシュポーク(長いぞ)のうまみも含んだオリーブ油が、一緒に入れたブロッコリーに染みこみ、それも誠に美味。
人には会わぬ
パンを好きなだけ切り分け、油に浸しながらいただく。ロイヤルストレートフラッシュポーク(長いぞ)、にんにく、唐辛子の風味が溶け込んだ油は、それだけでごちそうだ。その油でパンをびたびたにし、口に運ぶのだ。食後の自分はかなりのにんにく臭を発しそうだが、なに、人に会わずに寝てしまえばいい。
ところで、このロイヤルストレートフラッシュポーク(とにかく長い)の缶詰には2種類あって、1つはこのアヒージョ缶。もう1つはポークカレー缶で、その2品がセットで余市町の返礼品になっている。
ポークカレー缶の味付けは甘めでコクがあり、郷愁を感じさせるものだ。白ごはんにぴったり合うと思う。
缶詰情報
ノースボート/ロイヤルストレートフラッシュポーク・アヒージョ 85g
北海道余市町へのふるさと納税1万2,000円で4缶が返礼(アヒージョ2缶、ポークカレー2缶)