私は知っています。10月10日は缶詰の日なんです。なぜこの日なのかは分かりませんが、多分「10」という字に秘密があると思います。この字を右に90度回せばほら、フタを開けた缶のように見える。だから10月10日は缶詰の日!
「なに言ってるんですか、もう。ぜんっぜん違います!」と半ギレしながらやって来たのは缶詰博士。残念、違いましたか。でもいい線を行ってたと思うんですが、本当の理由は何ですか?
初めての商業生産
明治10年10月10日。北海道石狩の缶詰工場で、米国人の指導を受けてサケ缶製造が始まった。日本ではそれまでも缶詰の試作は行われていたけど、本格的な商業生産はこの日が初。ゆえに10月10日が缶詰の日に制定されたのだ。
まっ、でも「10」という字が缶に見える説もけっこう気に入った。
ということで、今回はサケ缶を取り上げる予定だった。ところが伊藤食品の新しいツナ缶がすごく面白そうなのだ(上の画像のやつ)。だからこっちを紹介しちゃうのだ。
初めて知りました、茶の実油
「美味しいまぐろ・とろ油漬~お茶のかおり~」はマグロの希少部位・トロ(ハラモ)だけを使ったプチ贅沢品だ。それだけでなく、もっと興味をそそられるのはお茶で風味付けしているらしいのだ。
伊藤食品はツナ缶の名産地・静岡にある。静岡といえばお茶も名産であるから、その2大産品を合わせた商品ということになる。そういう発想、大好物です。
原材料表記を見ると、「茶の実油」、「緑茶」と書かれている。「茶の実油って何だ?」と調べようと思ったら、その説明もちゃんと書いあった。何でも、茶の実を絞って得る油らしい。「若草の香りがとろの美味しさを引き立てます」だそうだ。うーん、ますます興味がわいてくる。
若草の香りを分かりたい
百缶は一見にしかず、ということで開缶。
確かに茶葉が浮いている! これは面白い。これで茶柱も立ってたら最高なんだけど、まっ冗談はさておき。ツナも淡い色合いで、いかにも脂が乗ってそう。
鼻を寄せて匂いを確認する。ツナの匂いと、米油の香ばしい匂いは分かる。でも若草の匂いが分からない。ああ、なぜワタクシの鼻は分からないのでしょうか。ぜひ分かりたいものであります。
天啓を受ける
ツナはランダムにカットされていて、折り重なるように入っている。その1片を取り上げると、重なっていた部分はほんのりピンク色だ。これは上等なツナ缶の証しであります。 もう一度、鼻を寄せて匂いを確認する。わずかに若草の香りがしたような気がする。でもそれは一瞬のことで、あっという間に消え去ってしまった。
そうして何度もくんかくんかしているうちに、唐突に天啓を授かった。
「お茶の風味のツナ缶だから、お茶漬けにして食べるべきだ!」
トッピング不要
かくのごとし。茶漬けといっても正確には湯漬けである。だって本当にお茶をかけたら、このツナ缶が持ってるお茶の香りがお隠れになってしまうじゃないですか。そのかわり、缶に入っていた油(米油&茶の実油)を残さず投入。
ひと口すすってみれば……まずツナがウマし。きめ細かくほろほろ崩れていき、その合間から甘い脂と酸味(うまみ)が出てくる。
その味が絡んだ湯漬けごはん、ウマっ。ごはんだけ食べてもウマっ。投入した油にツナのうまみも溶け出しており、それがダシの役割を果たしているのだ。
実は食べる前に「味が薄そうだから塩昆布でもトッピングするか」などと思ってたのだけど、まったく不要だった。缶詰。白ごはん。お湯。これだけで最高においしくて、さらさらごくごくとごはんを1合も食べてしまった(食べ盛りか?!)。
で、結局。若草の香りは分かりませんでした。
缶詰情報
伊藤食品/美味しいまぐろ・とろ油漬~お茶のかおり~ 70g
12缶で5,540円(1缶約462円 以上税別)伊藤食品のオンラインショップで購入可