枝豆がおいしい季節になりました。とくに暑くて汗をたくさんかいた日など、塩をたっぷり掛けた枝豆が止まりません。
「枝豆は冬に食べてもおいしいですよ」と、あまのじゃく的発言をするのは缶詰博士。まあ確かに冷凍食品の枝豆もありますよね。ところが「いえいえ、そこは缶詰でしょう!」とドヤ顔。えっ、枝豆の缶詰なんてあるんですか?
無粋?
「季節のものがウマいのは、人間が季節の中にいるからである。人間の諸条件が、体も、心も、季節の中にあるからである」と、小説家・獅子文六氏が書いている。なるほどとうなずいてしまう名文であります。
ところが本日の缶詰は、茹でた枝豆の缶詰であります。獅子先生が聞いたら「無粋なことである」などと言いそうであります。
ただ、この缶詰はイギリス製だ。ゆえに日本人が抱いている枝豆=真夏、ビールという発想と違う思いで造っているかもしれない。
純粋な水煮
でもまあ日本人としては、茹でた枝豆は塩味であってほしい。それでやっぱりビールを飲みたい。そう思って原材料を眺めると“枝豆ビーンズ”と"水"としか書いてない。純粋な水煮ということになる。
料理素材缶、ということでありましょう。缶には他にも「セレブのダイエット食」とか「ビーガン」とか書いてあった。どうやら彼らにとって枝豆は洗練されたセレブリティな食べ物(?)らしい。
内容量たっぷり
さあ皆さん、本日もご唱和をお願い致します。開缶!
粒のそろった枝豆がたっぷり入っております。その固形量は210グラム。水を含めた内容総量は400グラムだ。
写真は盛った?
水から引き上げた枝豆ビーンズの様子。こうして見ると確かに茹でた枝豆の色合いである。うぐいす色というか、黄緑色というか、そういうくすんだ薄色であります。
それに対して、パッケージにあった写真の豆の色はすごく鮮やかな緑色だった。あれは画像的に色を"盛った"のですかね? きっとそうですよね?
トータルで好印象
かくのごとし。味を確認するため、まずはそのまま食べてみたい。ちなみにパッケージには「食べる前に水洗いせよ」とのメッセージも書かれていた。そうすることでかすかな金属臭(ブリキ缶だから)が落ちるから、とても親切なメッセージであります。
ひと粒食べてみると、そのお味はナチュラルそのもの。ちゃんと薄皮がついてて、その下の豆は柔らかい。かんでいると青っぽい匂いがするが、それは枝豆と言われれば枝豆だし、でもエンドウだと言われればそう思うかもしれない。ようするに枝豆本来の匂いは薄い。
塩を振って食べたら、その思いはますます強まった。ミックスビーンズの缶に塩を振って食べているような風味なのだ。とにかくビールには合いませぬ。でもでも、風味が自然なのは好ましい。これが国産なら、豆の色や形状を保つために添加物を使いそうだが、この缶詰はそれをしていないのだ。トータルではとても好印象でありました。
缶詰情報
ヴェンチャーフーズ/枝豆ビーンズ 400g 1.98ポンド(約280円・税別)
※イギリスで購入 日本未発売