先日のTBS「マツコの知らない世界」に出演し、缶詰愛を炸裂させた缶詰博士。テレビに出てもまったくブレないその姿勢に、なぜか胸が熱くなりました。
「あの後、また面白い缶詰を見つけたんですよ! みんなで食べましょう!」と、当の本人が缶詰を握りしめてやって来ましたが……あれ、それはお酒じゃないですか博士?
見た目でひとめぼれ
見た目は大事。それは古今東西変わらぬ真実であります。
缶界(缶詰業界)も同様で、パッケージデザインの良し悪しで売れ行きも変わってくるのだ。
そこでご覧いただきたいのが、この菊水ふなぐち一番しぼりの缶。ふなぐちと言えば缶入り生原酒であり、コンビニでも買えることからTwitterで「コンビニ最強酒」と言われている清酒であります。この画像も、パカッと開けたらそのまま飲めるように見えるじゃないですか。
しかししかし、中身はふなぐちの酒粕を使ったブリオッシュ(パン)が入っているのだ。何とユーモア溢れるデザインか!
ブリオッシュはスルー
念のためラベルに書いてある表記を確認。名称に「パン」と書いてある。原材料にも小麦粉とかマーガリンが入ってる。間違いなくパンの缶詰なのだ。
商品名にあるブリオッシュというのは、つまりパンの種類でありましょう。よく聞く言葉だけど、どんなパンだったかまったく思い出せない。
まっ、そこはスルーして話を進めます。
焼き色よし
さあ今日も元気に参りましょう、開缶!
しっかり焼き色が付いたパンの底面が見える。きつね色を超えたたぬき色であります。そこから酒粕の芳醇な匂いが漂ってくる。
周囲に付いているのは紙カップだろうか?
直列つなぎ
なるほど、こうして2コが収まっていたのか。電池で言えば直列つなぎ状態だ(懐かし)。
ひとつを手に持ってみるとそれなりに重さがあり、試しに計ってみたら57グラムあった。中身がしっかり詰まっているわけだ。
郷愁を誘う味
かくのごとし。食べやすいようにカットしたら、その断面から再び芳醇な香りが立ち上がってきた。小麦や卵といったパン原料の甘い匂いに、酒粕特有の甘酸っぱい匂いも混ざり、なかなか複雑な香りであります。
ひと口いただくと、まず甘さが来て、すぐにしょっぱさが来る。それがしょう油そっくりの味だ。といっても原料にしょう油は入ってないので、発酵食品である酒粕に塩気が合わさった結果、しょう油っぽい味になったようだ。
その風味が、まるで子供の頃に食べた蒸しパンのような、あるいは酒まんじゅうのような、とても懐かしい味なのであります。胸の奥がぎゅっとなるような郷愁を覚える。
それにしても……。パンの向こうに見えるパッケージは、やっぱり缶入り清酒にしか見えないですな。最後まで面白い缶詰ですな。
缶詰情報
菊水酒造/ふなぐち酒粕ブリオッシュ 2コ入り 税込648円
Yahoo!ショッピングと楽天市場の菊水公式サイトで購入可