静岡県はツナ缶の製造量が日本一。なので静岡県民はツナ缶が大好きで、幼い頃から毎日のように食べているそうです(と、缶詰博士が言っていました)。
その博士が「究極のツナごはんを知りました!」と泣き叫びながらやってきました。「ひと工夫でこんなにおいしくなるなんて、今までのオレの人生は一体なんだったのだ?!」
博士の人生はよく存じ上げませんが、その究極のツナごはんというのをさっさと紹介してください。
愛情の深さが駿河湾並み
さば缶にセンターポジションを奪われたとはいえ、ツナ缶はやはり缶界の王者であります。今この瞬缶にも、日本のどこかでツナが炒められたり、サラダに乗せられたりしているのであります。
そして、ツナ缶の97%(※)は静岡県で作られている。ゆえに静岡県の人びとはツナへの愛情が駿河湾のように深い。食べ方を聞けば、即座に100通りは教えてくれるはずだ(ちょっと話を盛ってます)。
※出典:「缶詰時報」公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会(平成30年)
サラブレットのひと言
日本で一番売れている(と業界で認知されている)ツナ缶ははごろもフーズの「シーチキン」だ。ラインナップも実に多彩で、油漬、天然水仕込みなどさまざまなタイプがそろっている。
本日はその代表としてシーチキンファンシー・油漬においでいただいた。夏ビンナガマグロを使った高級品なのだ。
で、これをどうやって食べようかと眺めていたら、落語家の春風亭昇太さんから電話が来た。昇太さんは缶詰大好き人間であり、しかもツナ缶の本場・静岡出身というサラブレッド種なのであります。
さっそくツナのおいしい食べ方をたずねると
「ごはんに乗っけるのが一番ウマいね!」
と即答。それは僕も知ってますよ師匠でも何か工夫があるでしょうと重ねて聞くと
「あれかな。ツナを乗せる前にかつおぶしを乗せるんだよね」
何ですと? かつおぶしですと?
言われるままに
ということで、言われるままにかつおぶしを用意した。折しも台所ではごはんが炊き上がったところだ。
踊るかつおぶし
熱々の白ごはんを茶わんに盛って、言われるままにかつおぶしを乗っける。炊きたてごはんの熱でかつおぶしが踊り始める。香りも立ち上がり、これだけでもすでに夢のご馳走である。
ダシOnダシ
かつおぶしを乗せた上にツナを乗せる。両者の香りがミックスされて、鼻腔の奥を喜び駆け回る。これはつまりあれですね。ダシOnダシの発想ですね。かつおぶしはかつおのダシだし、ツナだってまぐろのダシだし。ダシをダブルにするわけだから、間違いなくおいしいはずダシ。
輝く白ごはん
かくのごとし。最後に醤油を「ちー」と掛け回せば缶成であります。箸をつかんで矢も楯もたまらずかっこんでみると、想像していたより3倍美味。さっきはダシのダブルと書いたが、かつおぶしのうま味には酸味があって、ツナのうま味には甘さがある。両者それぞれ違ううま味が混ざりあうから、余計においしくなるのだ。
それと、缶心(肝心)なのはツナの油。絶対に捨てたりせずに、ごはんの上に掛けてほしい。油もまたうま味のひとつだし、ツナのだしも溶け込んでいるわけだし。それでコーティングされた白ごはんもぴかぴか輝くわけダシ。
缶詰情報
はごろもフーズ/シーチキンファンシー90g(ギフト用)