去年発売された吉野家の牛丼の缶詰は衝撃的でした。牛肉だけでなくご飯まで入っているから、それだけで立派な1食になるのですね(記事はこちら)。新型コロナウイルスの影響で買い物にも出づらい今、ああいう缶詰は本当に便利だと思います。
「ご飯もので最新の缶詰はこれ!」と、声も高らかにやって来た缶詰博士。その手にはちらりと「牡蠣」の文字が。一体どんな缶詰なのでしょう?
おいしい予缶
僕が缶詰博士になるきっかけになったのは「五目飯」の缶詰だった。無骨な金属の缶から五目飯が出てきた瞬缶「缶詰ってすげえな!」と、一気に魅了されたのだ。
ゆえに、ご飯もの缶詰には特別な思い入れがある。この4月1日に発売された伊藤食品「美味しい牡蠣リゾット」も、2月の食品展示会で見つけた瞬缶に「ヤバいこれ。絶対美味しいやつだ」と予缶した。そしてその予缶は当たったのであります。
牡蠣は生原料
缶のラベルには「国産牡蠣を玄米とともに炊き上げました。牡蠣のうま味が口いっぱいに広がります」というアピールが書いてある。この一文だけで食欲が湧いてくるが、実はこの表現は控えめだ。
というのも、この牡蠣リゾット缶の最大の特徴は原料にある。一般的に牡蠣の缶詰は冷凍原料を使うことが多いけど、これは生原料なのであります。
冷凍技術が発達した現代では、冷凍原料だってちゃんとおいしい。でもでも、生原料を使うとやはり風味が違うんであります。
つかみは香り
それでは本日も元気に参りましょう。開缶!
と、いきなり牡蠣&バターの芳醇な香りがぐいぐい攻めてくる。思わず膝を突きそうな速攻であります。原材料を見ると玄米、牡蠣のほかにオニオンペースト、バター、食塩とある。牡蠣だけなら磯っぽい香りになるが、オニオンとバターを加えることできちんとした洋食に仕上げているのだ。
フォークでちょいとすくってみると、玄米がとても柔らかい。おかゆ並みの柔らかさなので、常温でも食べられそうである。
うまみ太平洋級
かくのごとし。今回はあえて温めず、そのまま食べてみる。
牡蠣が1つだけ入っているが、その粒が大きい。牡蠣はその身の70%以上が水分とも言われているから、加熱すると驚くほど小さく縮んでしまう。それを思えばこの大きさ、さぞ生前はご立派な牡蠣だったのでありましょう。
ひと口頬張ってみると、舌の上で牡蠣のうまみが広がった。それは太平洋を思わせる、力強い広がり方である(日本海でもいいんだけど)。玄米のひと粒ひと粒にまで牡蠣のうまみが染み込んでいて、これが生原料のおいしさだとあらためて思える。
後日、温めてからパルミジャーノ・レッジャーノを削って振りかけ、黒コショウも振りかけて食べたら、誠に美味でありました。
缶詰情報
伊藤食品/美味しい牡蠣リゾット 230g 3,745円(12缶セット・税別)
同社ショッピングサイトなどで購入可