7月28日~29日、味の素スタジアムにて『第3回 東京キャンピングカーショー』が開催されました。近年、ますます注目を集めているキャンピングカーを一度にたくさん見られるとあって、大勢の来場者で賑わいました。

開催初日の29日は立っているだけで汗ばむほどの厳しい暑さでしたが、キャンプカーを見ようというファンが大勢訪れました

101台の最新モデルが勢ぞろいした

一般的な市販車であれば、カーディーラーで最新のモデルをいつでもチェックできますが、キャンピングカーはその特殊性ゆえになかなかそうはいかないものです。そこで、今回取材した『第3回東京キャンピングカーショー』のような展示会があればぜひのぞいてみましょう。各メーカーの最新モデルをぞんぶんに吟味することができます。

味の素スタジアムの北側広場で行われた『第3回東京キャンピングカーショー』は、キャンピングカー製造・販売会社など49社が参加、101台のキャンピングカーやトラベルトレーラーが展示されていました。会場は夏本番の暑さでしたが、最新のキャンピングカーをひと目見ようと大勢の来場者がありました。

ベース車両は人気のハイエースがダントツ

キャンピングカーは乗るだけではなく、そこへ"住む"わけですから、関心が寄せられるのは居住空間の仕上がりです。展示車両にたくさんの来場者が集まって、なかをのぞいたり、実際に車内へ入ってシートの座り心地を確かめたり、装備品をじっくりチェックしている光景が見られました。こと、子供たちには大人気。バンクベッドに寝そべったりするなど、とても楽しそうでした。

さて、気になる展示車両は、バンコンバージョン、キャブコンバージョンが多数をしめていました。特徴的だったのは、いずれもハイエースをベースに架装されたものが多く見うけられたということです。昨今のハイエース人気の高さが伺えました。

ハイエースといっても、バン(商用車)の標準ボディと、ワゴンのワイドボディがあり、各メーカーのコンセプトの違いから、バリエーションはとても豊かでした。

もちろん、ハイエースだけがベースではありません。小型トラックをベースとしたコンパクトなキャブコンや、ピックアップトラックの荷台に独立したキャビンを載せたタイプなど、個性はいろいろ。

また、一方で軽自動車のキャンピングカーが多く出品されていたのも、今回のショーの特色のひとつだったといえるでしょう。

今の軽自動車は、一昔前に比べて驚くほど広く作られています。ワンボックスタイプともなれば、大人4人がゆったりできる広さを保持しているのはもとより、ラゲッジスペース(荷室)も一つ上のコンパクトカークラスを完全に凌駕する広さを備えています。そんな軽ワンボックスをベースとしたキャンピングカーは、カップルや、カップル+αの少人数での使用に適した大きさです。軽自動車ですから当然小回りがきいて、タイトな道でも苦もなく入っていけます。ここが普通車をベースとしているキャンピングカーより勝る点でしょう。もちろん、居住空間の大きさという点で普通車ベースに及びませんが、運転・助手席以降のキャビンをオリジナルに架装したキャブコンになると、軽自動車とは思えないほど広々とした居住空間を実現しています。

本格的なキャンピングカーのなかで車両価格が手ごろであり、ランニングコストにも優れた軽自動車のキャンピングカーは、今後ますます注目されるでしょう。

「キャンピングカーが欲しい」と思ったら、まずは実車を見ておきたいものです。今回のようなキャンピングカーを展示したショーであれば、比較検討しながら自分のニーズにぴったりな仕様を見つけられるでしょう。

キャンピングカーランドの、ミニキャンパー プチchoice2-LS VX。バネットバンをベースに乗車定員5名、就寝定員3名で仕上がったコンパクトながら大型のギャレイを備えた本格派のバンコンです。ポップアップルーフで居住空間がグンと広くなります。車両価格は324万5,550円ととても本格派キャンパーとしてはリーズナブルです

キャンピングカーメーカー、アネックスのリバティは、ハイエースをベースとしたキャブコン。2130mmある全幅ゆえに車内は広く、移動可能なマイルームと表現できる充実装備が魅力。大型ギャレイ、独立したトイレとシャワールームをもち、快適な休日を過ごせます。後方には2段ベッドがあり、バンクベッドも広々。この広さで乗車定員5名、就寝定員4名はなんともゼイタクです。630万円以上からの価格設定となっていますが、装備といい、スタイリングといい、納得できる1台でしょう

変わって、こちらはセントラル自動車のバンコン。ハイエースをベースに左右で分割した上下可動式のベッドを備えているのが特徴です。空いた車内の空間を効率よく使える画期的な仕様といえます。トランスポーターとしても大活躍しそうですね。車両価格は562万8,000円

日産シビリアンがベースになると、まさに移動可能なワンルームマンションと呼べる広々スペースです。キャンピングカービレッジ関東のラグーンLで、インテリアは大型ソファを据えた豪華さ。723万円台からオーダー可能。乗車定員10人/就寝定員6名で、普通免許で乗れます

ハイエースの標準ボディをベースに、乗車定員9名、就寝定員3名に架装されています。リンエイが製作したファシールバカンチェス・リッツ(366万円)は、扱いやすさが魅力。後部座席は大人6人がリラックスできるスペースであるのはもちろん、ベッドメイクしても荷物の収容能力はバツグン。キャンパー、トランスポーターと大活躍してくれそうですねM@

日産ピーズフィールドクラフトが手がけた、ミニバンベースのキャンピングカー。セレナ・ポップスリーピングバージョン(車両価格378万1,050円)で、名称どおりポップアップルーフを採用しています。インテリアは、市販の標準仕様ですが、オプションのアンダーベッドで2列目シート以降は完全フルフラットとなり、ポップアップとあわせて最大で大人4名の就寝を可能にしています

こちらもミニバンベース。ホワイトハウスのステップワゴン・スカイデッキは、ポップアップルーフのみのスカイデッキ(286万6,500円)から、フル装備のスカイデッキジョイフル(425万2,500円)の4タイプがあります。写真はスカイデッキジョイフル。コンパクトながらギャレイとシンク、電子レンジまで備えており、オートキャンプ可能な本格派。もちろん、スタイリッシュなミニバンだから普段の足としても使えます

軽自動車をベースとしたキャンピングカーの展示の多さも東京キャンピングカーショーの特色のひとつでした。バンコンからキャブコンの本格派まで、見ているだけで夢が膨らむというところでしょう

ロータスRV販売のマンボウJrは、マツダのスクラムトラックをベースにつくられたキャブコン。キャビンはさすがに広く、ダイネットテーブルを据えても余裕あり。ベッドにした場合でも大人2名がゆったりと寝られます。バンク部分は荷室として使え、オプションでベッドにすることも可能。車両価格が310万7910円は、本格派のキャブコンとはいえ軽自動車ベースゆえに手ごろ。ちなみに乗車定員は5名、就寝定員は2名となっています

三菱のピックアップトラック、トライトンにキャンピングシェルを積載してキャンプに出かけるスタイルが、M.Y.Sミスティックの提案です。JキャビンFというキャンピングシェルは軽量と堅ろうなアルミ製で、車両との切り離しが可能。普段はピックアップトラックのまま、必要になればキャンピングシェルを積んで出かける、なんて使い方も可能ですね。トライトンだけでなく複数の国産ピックアップトラックに対応しており、ギャレイ、シンク、ベッドなどもちろん装備は充実しています。価格は単体で206万5250円。トライトンと組み合わせた合計は500万5250円です