エンタメライターのスナイパー小林が、テレビドラマでキラッと光る"脇役=バイプレイヤー"にフィーチャーしていく連載『バイプレイヤーの泉』。
第32回は女優の三浦理恵子さんについて。10月8日放送スタートの連続ドラマ『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)に出演する三浦さん。全方位どこから見ても可愛らしいという、貴重なアラフォー女性です。その昔、彼女がアイドルとして活躍していた頃から、ただならぬムードに注目していました。その記憶も回顧しつつ、現在の彼女から漂ういい女ぶりにも触れつつ。
年齢を重ねるごとに高まる、女性支持率
一級建築士で、高級マンションに住み、見た目もかっこよく、高身長の桑野信介(阿部寛)。どこから見てもモテそうな武器を兼ね備えているのに、53歳、独身。結婚に興味がないわけではない。でも偏屈な性格が邪魔をして、恋愛はなかなか進まない。彼は本当の幸せを手中にできるのか……?
というのが『まだ結婚できない男』のあらすじ。2006年に第1弾『結婚できない男』が放送されて、それから13年後。桑野は安定の独身のまま帰ってきたという、第二弾が今秋放送される。三浦さんは、桑野の実妹・中川圭子役。夫と娘、そして母親と幸せに暮らす圭子。常に未だ独身の兄のことが気がかりでならないのだ。
三浦さんといえば、読者のみなさんには"女優"としてのイメージがあるはず。実際、数え切れないほどの作品に出演しているけれど、演技をしている彼女がガン! と視聴者に定着したのは『特命係長 只野仁シリーズ』(テレビ朝日系・2003年~)ではないだろうか? 可愛らしいビジュアルと、ちょっとしたお色気シーンでの演技が相まったギャップ。これが世の男性の心を掴んだ。
その現象と同時に、エイジレスぶりが女性にも注目されていく様子も女性誌で見かけた。年齢を疑うようなビジュアルの女性が、生活を送っているのかは気になる。結果、三浦さんが美容オタクで、あれこれとケアをしていることが判明。それもニベアをたっぷり使うなど、どんな女性でもトライできそうなプチプラ美容の発信が目立ち、あっという間に女性票を獲得。可愛さに庶民派がくっつけば……それは無敵以外の何物でもない。
フェミニンな外見とは対照的で骨太な生き様
そして三浦理恵子という人物を私が語るうえで、欠かせないのはアイドルグループ「CoCo」として活躍していた時期のこと。女性5人で結成されたグループ内では、瀬能あづさと並ぶツートップで人気を博していた。デビューは1989年。女性の男前ぶりが浸透しつつあった頃だ。そんな最中でも、三浦さんはいわゆるぶっちぎりの"女の子キャラ"だった。ぶりっ子よりもやや手加減した雰囲気とでも言おうか。
そしてセカンドシングル『はんぶん不思議』で
「あなた意地悪」
という、激甘ボイスの歌声をリリースして、世間の話題をかっさらった。たくさんの男たちが彼女の可愛さに群がり、アイドルとして人気は上昇。ただ当時、幼いながらにその様子をテレビで見ていた私には、彼女がただ可愛いだけでは映らなかった。何かものすごい腹黒さなのか、強さなのかを持っているような気配がしたのだ。ひょっとしたら元ヤンなのかとも考えたけど、それならそれで納得する雰囲気がかすかにあった。今から30年近く前のことだ。
それが「CoCo」解散から4年後、1回目の結婚でなんとなく判明した。相手がまさかの元レッド・ウォーリアーズのダイアモンド☆ユカイだったからだ。今でこそ、彼もバラエティタレントになっているけれど、当時はゴリゴリのロッカーとして強烈なインパクトを放っていた。そんな人物と結婚するなんて、度胸があるか、本人もキワモノでないと決意できない。ああ、やっぱり理恵子ちゃんは、只者ではなかったと、長きに渡る疑問から解放された瞬間だった。
今は、一般男性と再婚して幸せに暮らしているそう。でも三浦さんには、余生を穏やかに過ごす計画を立てて欲しくない。人生100年と言われている時代だ。できれば、あの麗しき容姿に秘めているであろう"何か"を私たちにもっと開放、教示してはくれないだろうか?