ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第40回は「#ワッフルチキン」。
甘くフワフワのワッフルの上に、カリッと香ばしくフライされた大きなチキンが鎮座し、そこに甘いメープルシロップをかけて食べる…こんな一風変わったメニューが人気を博しているのをご存じだろうか。その名も「ワッフルチキン」だ。
もともとアメリカでは「チキン&ワッフル」という呼び名で知られるアメリカ南部発祥の郷土料理で、ロサンゼルスやニューヨーク等ではセレブやアーティストたちにも愛される定番メニューの一つ。Instagramの投稿数を見てみても、英語表記「#chickenandwaffles」での投稿は、世界中でなんと約69万件(2021年1月時点)。日本語の「#ワッフルチキン」タグでも約2万件あり、アメリカでの人気が日本でも拡大していることがうかがえる。
「#ワッフルチキン」で投稿されている写真を見ると、ワッフルにフライドチキンが豪快に乗っているものが多数。ワッフルはほとんどが丸型だ。メープルシロップをたっぷりかけているものや、チーズや目玉焼きなどのトッピングが加わっているものもあり、どれもジューシー感とボリューム感がある。
近年のヘルシー志向のトレンドとは逆行しているように思えるが、一度食べるとやみつきになる悪魔的な魅力にハマってしまい、思わず写真に残す人が多いようだ。ワッフルとフライドチキンは別々でも人気のメニューだが「この組み合わせ、不思議だと思っていたけど案外相性がいい!」「甘さとしょっぱさ無限ループ!」というコメントが多い。近年、日本国内の各地でもワッフルチキンを食べられる店が続々と登場しており、不思議な甘じょっぱさがクセになる人が続出している。
渋谷のアメリカ風カフェのワッフルチキン
東京・渋谷にあるカフェ「MOJA in the House(モジャ イン ザ ハウス)渋谷」では、2014年のオープン当初からワッフルチキンを提供している。同店は「アメリカンダイナー」がコンセプトのカフェで、アメリカで馴染み深いメニューの一つとして当時はあまり知られていなかったワッフルチキンを取り入れたという。
同店オリジナルレシピでフワフワに焼き上げたワッフルに、カリカリに揚げたフライドチキンが4つ。チキンは骨なしで、表面はカリカリだが、中はナイフでワッフルと一緒に簡単にカットすることができる柔らかさ。添えられたメープルシロップをたっぷりかけて食べると、メープルシロップの甘みと香り、スパイシーなチキンの塩気が良く絡み合い、不思議なことに相性が良くクセになるおいしさだ。
同店の店長を務める鈴木裕希さんは「チキンは卵をもみ込み、ケイジャンスパイスとオリジナル配合の衣をまぶしています。シロップに負けないようスパイシーでカリカリな仕上がりにこだわっています」と説明する。甘味の中にスパイシーさがしっかり感じられ、和食の甘じょっぱさとはまた違った新しい味わいが楽しめる。
Instagramでは「カロリーはヤバいけどたまらない!」「メープルシロップをドバドバかけるのが最高」といったコメントが多い。背徳感を感じながらもついつい食べてしまう魅力にハマる様子が感じられ、また食べてみたくなってしまうようだ。
同店では、外食は極力避けたいというこのご時世にも便利なテイクアウトにも対応しているので、自宅でゆっくり味わうのも良さそうだ。
バリエーション豊富!ワッフルチキン専門店も登場
2019年には新宿にワッフルチキン専門店「WAFFLE CHICKEN HOMIES(ワッフルチキン ホーミーズ)」がオープンした。こちらではシンプルな「W.C.Hスタンダード」(1,150円)のほか、様々なトッピングを加えたワッフルチキンも味わえる。
「W.C.Hスタンダード」は大きなフライドチキン2枚が、甘さ控えめでフワッとした食感に仕上げたワッフルに乗せられており、同店一番人気のメニュー。紫キャベツのコールスローも添えられている。テーブルに運ばれてきた際、多くの人がそのボリューム感に驚くそうだ。
同店店長の佐藤康博さんによれば「ワッフルは卵と牛乳のバランスにこだわっています。卵が多すぎると重い生地になってしまうので、牛乳との割合を考慮し、軽い食感と食べごたえのちょうど良いバランスを両立させています」とのこと。チキンは骨なしの鶏もも肉を使用。ジューシーなチキンと合わせるためあえてワッフルは軽い食感にして、食べやすく仕上げているということだ。
トッピングつきのワッフルチキンも甘じょっぱさがポイントだ。例えば「チーズ!チーズ!!チーズ!!!」は、その名の通りコクのあるチェダーチーズソースと、粒状の香り高いグラナパダーノを山ほどかけた、チーズまみれのワッフルチキン。こちらにもたっぷりメープルシロップをかけていただく。
他にはトロリととろけるカマンベールを添えた「ハニーカマンベール」(1,200円)、サワークリームとライムでさっぱりとした酸味を楽しめる「ソルティライムサワークリーム」(1,250円)など6種類。どれも食事系トッピングとメープルシロップを組み合わせており甘じょっぱさを存分に味わえるメニューとなっている。
同店ではワッフルにホイップクリームやフルーツ、ナッツ等をトッピングしたスイーツ系ワッフルも販売しているが、「やはりチキンを乗せた食事系のワッフルの利用が多いですね。ランチタイムはもちろん、15時をすぎたカフェタイムでもたくさんの方が注文されています」(佐藤さん)とのこと。
甘いものと塩辛いもの、どちらを食べるかで迷ったら、ワッフルチキンを試してみてはいかがだろうか。その不思議な魅力にハマって、クセになってしまうかも?
※価格は特記がない限りすべて税抜
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