ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第18回は「#固めプリン」。

  • プリンにクリーム、さくらんぼ…どこか懐かしいけれどおしゃれな「#固めプリン」

「固めプリン」とは?

プリンといえば、これまでは生クリーム感が強い、ふわふわとろとろのプリンが全盛だった。カフェでも市販品も“ふわとろプリン”が主流だったが、近年注目を集めているのが、「固めプリン」だ。Instagramでも「#固めプリン」(「#硬めプリン」「#固いプリン」など表記違いも含む)での投稿は15,000件程度(2020年2月現在)、また、レシピサイトでも固めプリンのレシピが増えている。

固めプリンとは、卵が多めでしっかり固まった、歯ごたえのあるタイプのプリンだ。喫茶店で食べたような昔懐かしのプリンというイメージも強く、Instagramでも「#昔プリン」「#昭和プリン」といった投稿も見つけられる。投稿は最近になって件数が増えてきており、注目度の高さがうかがえる。投稿を見ていると懐かしい雰囲気もありつつ、SNS映えするおしゃれな写真が多いようだ。大人にとっては懐かしく、若い世代にとっては新鮮に感じられるのも固めプリン人気につながっているようだ。

Instagramの投稿を見ると、固めプリンは都内だけでなく、全国的にカフェのメニューとして登場してきている。店それぞれに特徴があり、おいしい固めプリンを求めてカフェに行く人も多いようだ。「行列を並んでやっと食べられた! 」、「今日は品切れしていて残念」といったコメントも目立つ。

品切れになる日も…ALL SEASONS COFFEEの「Classic Pudding」

新宿と四谷に2店舗を構えるコーヒー専門店「ALL SEASONS COFFEE(オールシーズンズコーヒー)」では、2018年8月より「Classic Pudding(クラシックプリン)」を販売中。コーヒーと好相性で、もっちりとした食感のプリンが人気メニューとなっている(新宿店は毎日13時から、四谷店では土日祝のみ10時からの提供)。

  • ALL SEASONS COFFEEの「Classic Pudding」(税込600円)

見るからに"ふわとろ系"プリンとは一線を画す、ノスタルジックな雰囲気のプリン。ふんわりとホイップされたクリームと、これまた懐かしさのあるさくらんぼがトッピングされており、見た目にも可愛らしい。さらにたっぷりとかけられたカラメルソースが印象的だ。

「もともと固めを目指していたのではなく、スタッフがおいしいと思うプリンを作成した結果がクラシックプリンの形となりました」と同新宿店マネジャーの竹内万智子さん。コーヒー専門店らしくコーヒーとの相性を考え、甘すぎない優しい味わい、柔らかすぎない食感を追求した。香ばしくビターなカラメルもコーヒーとよく合う。

発売当初から話題になり、問い合わせが多かったというこちらのクラシックプリンだが、「最近は特に売り切れ時間が早くなっていると思います」(竹内さん)とのこと。新宿店では毎日13時からの販売をスタートしており、早い日だと15時には完売してしまうという。「新宿店では、プリン提供開始の13時からいらっしゃるお客様が多く、ほぼ毎日お待ちいただくほど店内は賑わっております。土日には外まで来店ご希望の方の列が続いているのを見ると、とてもありがたいです」(竹内さん)

Instagramでも、同店を訪れた客の多くがこのプリンを堪能し、写真を投稿しているのがわかる。シンプルながら、これぞプリン! といった可愛らしい見た目がさらに話題を呼びそうだ。

甘党は見逃せない! 「Roman Records Cafe」の個性派プリン

目黒区にあるカフェ「Roman Records Cafe(ロマンレコーズカフェ)」にあるのは、珍しい「ブラジリアンプヂン」というプリン。ケーキのようだがプリンの1つで、こちらもInstgramの投稿が多い注目の固めプリンだ。

  • Roman Records Cafeの「ブラジリアンプヂン」(税込580円)

ブラジリアンプヂンとは、その名の通りブラジルのお菓子で、卵や牛乳のほか、コンデンスミルクが使われているのが特徴。また、プリン生地の下にはしっとりとしたココアスポンジがあり、食べ応えもある。同店オーナーの会見達也さんは「ブラジルの家庭料理であるプヂン(プリン)を日本風にしたものを友人が作っていて、あまりのおいしさに感動した」そうで、さらにアレンジを加えてメニュー化したとのこと。コンデンスミルクのコクとビターなココアスポンジが固めのプリンとよく合い、今では同店の人気メニューとなっている。

コンデンスミルクはブラジル産のものを使用しており、濃厚なコクのわりに甘さは控えめ。しっとりとしたケーキのような贅沢なプリンで、Instagramでも「やっと食べられた! 」「ココアスポンジが最高」といった投稿が目立つ。このブラジリアンプヂン目当ての人が多いようだ。

  • 作り方も不思議なプヂン。スイーツ好きなら一度は食べてみたい

ブラジリアンプヂンは調理方法も個性的。型に、カラメル、ココアスポンジ生地、プリン生地の順に流し込み、オーブンで焼き上げる。焼いている間にココアスポンジ生地が空気を含み浮いてきて、プリン生地と層が入れ替わるのだ。焼きあがると写真のようにカラメル、プリン、スポンジと重なった状態で焼きあがる。

「甘さを抑えたドリンクと好相性」(会見さん)とのことで、同店自慢の熟成させたコーヒー「エイジングコーヒー(税込560円)」と合わせて楽しむのがおすすめのようだ。

甘味喫茶でも!「甘味茶屋 七葉」のプリン

都内・新宿、さらに埼玉と沖縄に合計3店舗を展開する和風の喫茶店「甘味茶屋 七葉」でも、固めプリンの「蒸し焼きプリン」を提供中だ。

  • 甘味茶屋 七葉の「蒸し焼きプリン」(税込660円)

ショートケーキのようにカットされたこちらのプリンは、「どの年代のお客様にも好まれるような昔ながらのプリンを提供したいと考え、シンプルな素材・味にこだわって作りました」(七葉広報部 木村冬人)との言葉通り、素朴な味わいの固めプリンだ。

「蒸し焼きプリン」は同店がオープンした2014年当時から定番となっているメニューで、当初から固めの食感が人気とのこと。固めプリンへの注目の高まりに合わせ、発売当初と比べると販売数は増加してきているそうだ。

  • 落ち着いた和風テイストの喫茶店で楽しむ固めプリンは「ほっこりできる」と人気

同店では単品の「蒸し焼きプリン」のほか、このプリンにフルーツを組み合わせた「蒸し焼きプリンのフルーツアラモード」(税込1,100円)も提供しており、そちらも好評。Instagramでの投稿を見ると、コーヒーと一緒に楽しむ人もいれば、同店名物の煎茶を合わせている人もおり、楽しみ方は様々だ。

個性豊かな固めプリンは、懐かしい雰囲気の中にも新鮮さがあり、これからも注目を集めそうだ。リラックスしたいスイーツタイムに、ぜひ取り入れてみては。