Evernoteはとても便利なクラウドサービスです。そしてパソコンだけでなくiPhoneで利用することでその便利さは、何倍にもなります。今回はEvernoteをパソコンとiPhoneの両方で使うときに覚えておきたいいくつかのポイントを紹介します。

情報の入出力

1.パソコンで保存、iPhoneで参照

クラウドサービスの便利さを一番実感できるのがこの使い方です。例えばパソコンのWebブラウザ「Google Chrome 」の拡張機能「Evernote Web Clipper」でクリップしたWebページをiPhoneで見ることができます。

  • Google Chromeの拡張機能を使って、Webページをクリップしたところ

ネットサーフィンの最中に役立つ情報に出くわしたけれど読む時間はないというときにクリップしておき、あとでiPhoneで見る。こういう使い方ができます。

  • 同じページをiPhoneのEvernoteで見ているところ

2.各種情報の入力手段として使う

EvernoteのiPhoneアプリは参照だけでも十分便利ですが、情報の入力にも使えます。

一番簡単なのは、直接文字入力すること。ほかにも画像撮影のモードにして写真や、名刺、書類をキャプチャーすることもできます。特に名刺と写真はそれぞれに適したモードがあり、矩形補正やコントラスト補正をしてくれます。このようにEvernoteの撮影モードは、書類の保存にとても便利です。

  • 名刺を取り込んだところ。OCR(光学的文字認識、手書き文字や印刷文字をデジタル文字コードに返還する技術)がかかっているが、部分的にはエラーがあり修正の必要もある

  • Evernoteの写真モードで撮ったもの。説明文を入れることができる

Evernoteは、いろいろな情報を蓄積して初めてその効能を感じられるようになります。Evernoteのアカウントをとったけれど使いこなせないという人は、まずはiPhoneアプリを入り口としてアイデアや画像、各種書類などを取り込んでみましょう。入力した情報の検索はパソコンからでもできて便利です。

  • カメラロールの画面。アクションアイコンをタップすると、写真の送り先としてEvernoteを指定できる

  • 保存画面では、タグやノートブックも選択できる

3. リマインダーを使う

指定したノートを特定の日時に表示させることができます。例えば仕事の資料の情報を、あらかじめ設定しておくことで、指定の日時に表示させることができます。打ち合わせの日時を設定しておけば、いざというときに、慌てて検索する必要はないというわけです。

  • リマインダーの設定画面。日付と時間を指定できる

iPhone自体にもリマインダーアプリが標準であります。Evernoteのアプリとは異なり、日時のほかに、位置情報もトリガーにできる点では、優れていますが、扱える情報の種類で言えばEvernoteの方が幅が広いです。ちなみに筆者は私的なことはリマインダーアプリで、仕事で必要なときはEvernoteのリマインド機能を使っています。

  • 保存したデータは、各種機能を利用できる

4. ウィジェットから各種モードですばやく起動する

iPhoneには、画面をなぞることでアプリを起動することなく情報を参照する機能がいくつか備わっています。ウィジェットもその一つで、ホーム画面を左にスワイプすると、各種アプリの情報が表示されます。ロック解除前でも参照はできるのでとても便利です。

  • ウィジェットの画面。下部のアイコンのタップでEvernoteの各種機能を直接起動できてスピーディー

ここにEvernoteをおいておくとiPhoneが一段と便利になります。まず直近で使用したノートが表示されています。Evernoteを起動しなくてもこれらが見られるのはとても便利です。次に、表示エリア下部にある各種アイコンです。ここからは、Evenoteの各種機能を直接起動できます。左から「ノート追加」「カメラモード起動」「リマインダー起動」「ノート検索モード」です。

これらはアイコンをタップすると、Evernoteがそのモードで起動します。Evernoteが何画面目にあってもこちらの方が圧倒的に早いので便利です。

5. チェックリストを作って利用する

意外と便利なのがチェックボックスの機能です。これは、手帳のタスクリストのように、行のあたまにチェックボックスを設けてあるものです。iPhoneの画面上でチェックボックスをタップするとチェックが入ります。

  • 出張用の持ち物リスト。チェックボックスにはチェックを入れられる

例えば、出張の持ち物リストなどを作っておくと便利です。出張のたびに改めて日付を入れてから別名保存し、一つずつチェックを入れていくわけです。また、出張の道具が増えた場合はリストに加えて保存しておきます。リスト自体もどんどんバージョンアップして保存し、簡単に再利用できるのがEvernoteの便利さです。

  • Safariでアクションアイコンをタップしたところ。このように、iPhoneアプリで情報をEvernoteに送れるものはいろいろとある

  • Safariから送ったWebページ

6. 検索する

Evernoteには、このほかにも各種の連携アプリや「ポメラ」(キングジム)との連動方法などいろいろなテクニックがあります。それらについてもまた回を改めて触れられればと考えています。

舘神龍彦

舘神龍彦

手帳評論家、ふせん大王。最新刊は『iPhone手帳術』(エイ出版社)。主な著書に『ふせんの技100』(エイ出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『意外と誰も教えてくれなかった手帳の基本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)など。また「マツコの知らない世界」(TBS)、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)などテレビ出演多数。手帳の種類を問わずにユーザーが集まって活用方法をシェアするリアルイベント「手帳オフ」を2007年から開催するなど、トレンドセッターでもある。手帳活用の基本をまとめた歌「手帳音頭」を作詞作曲、YouTubeで発表するなど意外と幅広い活動をしている。

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