新卒時代の写真を見返したとき、自分がまるで別人のように見えることがありませんか? 社会人3年目を迎える25歳から、学生時代のあどけなさは徐々に消え、顔つきが変化します。

  • 20代と同じビジネスファッションで過ごしていませんか?(写真:マイナビニュース)

    20代と同じビジネスファッションで過ごしていませんか?

さらに、30歳あたりから「肌質・髪質・体形」はそれまで以上に変化し、その容姿はまるで別人のように変貌を遂げる方が多いのです。つまり、「似合う服装」も変わります! 

それまで「フレッシュさ」でカバーしていた20代前半のスーツ姿。ここにちょっとした工夫を加えることで、30代のビジネスライフが劇的に変わります。

30代のサラリーマンが「見直すべきビジネスファッション」について、服のコンサルタントがお伝えします。

30代の女子ウケは「色」が9割

失われていくフレッシュさを色のパワーで埋めることが可能です。「人の心は色に反応する」という言葉の通り、人の心に影響を与えるパワーが色に宿ります。色彩心理学という分野があるように、各色によって与える影響は異なります。

たとえば、女性が多い職場であれば「ベビーピンクのニット」。ジャケットとシャツの間に挟むだけで、女性に親密感を与えます。昨今、ビジネスファッションの多様化が進み、スーツのみならず「ジャケット&パンツ」、通称ジャケパンも増えてきました。

だからこそ、色の付いたニットセーターをネクタイ代わりにさすことも許容される職場があることでしょう。

  • オレンジが混ざったコーラルピンクのニットをさし色に

    オレンジが混ざったコーラルピンクのニットをさし色に

これからの時期、コットン素材で織られた「スプリングニット」を選びたいところ。コットン地だからこそ、春先まで長く使えますし、ユニクロで色のバリエーションも豊富に並んでいます。では、男だらけの職場ではどうすればよいのでしょうか?

彩りが強いカラフルではなくても、いつものビジネスファッションをちょっと明るくするだけで印象は劇的に変わります。私は、30代こそジャケパンを推奨しています。そこには肌質の劣化問題が関係していました。

30代こそジャケパンが合う理由

スーツとジャケパン、どちらも同じジャケットスタイルです。ところが、その決定的な違いは上下の色が異なること。スーツのように上下同一生地であれば、紺・黒・ダークグレーなど、暗い色しか選べませんよね。

というのも、全身を覆う表面積が大きいスーツは明るい色を選びづらいのです。演歌歌手のように派手に見えるリスクが高まり、ビジネスの場に相応しくないからです。

一方、上下の色が異なるジャケパンでは、どちらかに明るめの色を取り入れても明るすぎる心配がありません。もちろん、ジャケパンの基本は「ネイビージャケットにグレースラックス」。

それでもスーツに比べ、青みが強いネイビーを選びやすいですし、明るめのグレーを選べます。そして、この全身の明るさが、くすんだ肌色さえも明るく見せてくれるのです。

とはいえ、ジャケパンが許容されない職種の方もいらっしゃることでしょう。30代が注意すべきスーツ選び2つの工夫をお伝えします。

残念な30代はスーツのお直しを知らない

20代前半のころに比べ、付き合いも増えた結果、お腹まわりの肉付きが良くなる男性が増えています。増量に合わせスーツのサイズも変わりますが、サイズを上げることでジャケット袖が長すぎる可能性が高いのです。

実は、この問題は袖をお直しすることで簡単に解決します。

スラックスの裾上げ同様、THE SUIT COMPANY、SUIT SELECT、P.S.FA、オリヒカ、ONLYというようなツープライススーツ量販ブランドも、プラス数千円で袖のお直しサービスを扱っています。

もちろん、お直しの手法に制限があるため、袖先からMAX2センチ程度の袖詰めが限界でしょう。ただ、この数センチで印象が劇的に変わるのです。もし、それでも長い場合はお直し専門店に持ち込みましょう!

ちなみに、最適なジャケット袖をご存知でしょうか。身長によって多少異なりますが、ジャケット袖の最適丈は親指の爪先から10~11センチ程度といわれています。

このとき、シャツ袖は1センチ程度チラ見せさせましょう。というのも、ヨーロッパではシャツは下着扱いだからこそ、ジャケットの袖裏に皮脂がつかないようガードするという機能的な意味合いがあるからです。

また、チラッと見える白いシャツ袖が視覚的なコントラストを生み、明るく見えます。

胸元にさす布のレフ板

20代前半と30代、ビジネスファッションにおける工夫をこれまでお伝えしてきました。最大のポイントは「失われたフレッシュさを補完する」こと。

その解決方法のコツは、明るい色をさすことで、肌を明るく見せることにありました。では、最も効果的な工夫をお伝えします。

抵抗がある方が多いでしょうが、可能でしたらスーツにはポケットチーフをさすことを薦めています。というのも、ダークスーツにさす胸元の白いチーフは、キザという意味合いではなく、顔を明るく照らす布のレフ板として役立つからです。

  • ポケットチーフをさすだけで印象が変わる

    ポケットチーフをさすだけで印象が変わる

レフ板とは、フォトグラファーが被写体をキレイに見せるための道具。胸元にくる白い布、その面積はごくわずかですが効果は絶大です。

職場や取引先では躊躇するでしょうが、飲み会などでポケットチーフをさしてみてはいかがでしょうか?

著者プロフィール: 森井良行(もりい・よしゆき)

エレガントカジュアル 代表取締役
20代後半から40代の男性のファッションを「エレガントカジュアル」でワンランクアップさせる「服のコンサルタント」。 街のセレクトショップを歩き、顧客に試着を繰り返してもらいながら、その人に最も似合う服を探していく独自の「買い物同行」は9割以上の高い満足度を誇る。