インドシナ半島に位置し、歴史情緒あふれる街並みや豊かな大自然、ビーチリゾートなど多くの魅力をもつ国・ベトナム。"東洋のパリ"と称される美しい街並みが広がるホーチミンや、ランタンで有名なホイアンのほか、世界遺産なども見どころだ。さて、そんな国の朝食はいかに!?
美食の国々から影響を受けたベトナム料理
長い間、中国とフランスの支配下にあったベトナム。料理もこの2国から大きく影響を受けている。炒める・蒸す・煮るなど中華料理の手法を多く使うほか、19世紀以降は香辛料やコーヒーの栽培などフランスの食文化と似た特徴がみられる。
そんなベトナムの料理は、香草類は多く使われるものの唐辛子はほとんど使われず、辛みが少なくあっさりしたものが多い。お米や海産物を多く使うのも特徴的で、味のベースは魚醤が使われる。
3食のうち、朝食はベトナムの人々にとってとても重要な食事。日が昇る前から市場が開きだし、学校や仕事も早朝から始まる。そんな完全なる朝型生活を送るベトナムでは、1日のパワーの源として朝食は欠かせないものとなっているのである。
日本でも人気のフォーは朝のド定番
ベトナム料理の定番中の定番と言える程ポピュラーなフォー。透明のスープに米粉で作られたつるっとした麺の入ったこの料理は、ベトナム北部で生まれたご当地麺なんだそうだ。基本的には朝食べるメニューで、屋台や食堂で通勤通学の前にフォーをすすっている人も多い。
鶏や牛でとったダシは香りがよくあっさりしている。鶏のスープは「フォー・ガー」牛のスープは「フォー・ボー」と呼ばれている。別皿にもやしやニラ、ライムや香草、調味料が盛られて出てくるので、自分で好きなように味を調節できるのもうれしいところ。野菜がたっぷりでヘルシーな、朝にぴったりなメニューだ。
「バインミー」はベトナム版ファストフード
今度はフランスの風薫る一品を。フランスパンにたっぷりの野菜を挟んだ、ベトナム風サンドイッチ「バインミー」だ。最近では日本でも専門店ができるほどの人気ぶりだが、本場のベトナムではB級グルメとして浸透している。
もっちりしたフランスパンに、なますや香草、シーズニングソースがはさまっているバインミーは、まさにフランスとアジアの文化が交差するベトナムを表したメニューなのだ。バインミーは街中のスタンドで買うことができ、片手で食べられる手軽さが人気を集めている。ミートボール入りやオムレツ入り、焼肉入りなどその種類も豊富だ。また、スタンドだけでなく大型チェーン店も登場しているので、好みのバインミーを探してみるのもいいかもしれない。
西欧とアジアの文化が交わる国・ベトナム。朝型の生活を送るベトナムの人々は、一日の中で朝食を重要とすることで、眠気を吹き飛ばし活動しているのかもしれない。ベトナムを訪れた際は、早起きして現地の人々と共に朝ごはんを楽しんでみてはどうだろう。
※記事中の情報は2016年9月時点のもの
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