前回、前々回につづき、第3弾の名刺交換マナーとなります! 今回は自分の名刺を差し出す、ほんの何秒かのしぐさに関するご注意点をお話しします。
ドラマの影響?! 「私、こういう者です」
以前、新入社員研修での名刺交換実践で笑ってしまったことがあります。ペアになり、自分なりのやり方で名刺を渡してもらったときのこと。何人かの受講生さんが「私、こういう者です」と言いながら自身の名刺を差し出していたのです!
よくドラマに出てくるセリフだからでしょう。しかし、自分から名乗らずに、「こういう者」とだけ伝えて相手に名前を読ませるのは失礼ですよね。通常は、「私、〇〇会社の△△と申します」と自己紹介をしながらお渡しするのが礼儀です。
これぞ"オヤジ所作"な差し出し方
また、これもテレビなどの影響でしょうか?! 「△△と申します」と言いながら、名刺を持った手をポン! とバウンドさせるしぐさ……。どこかでご覧になったことはありませんか? マナー違反ではないにせよ、どことなく"オヤジしぐさ"というイメージが漂います。名刺はスッ! と流れるようにスマートにお渡しするのがおすすめです。
コントですか?! 低く出せばよいというものではない
「名刺は相手より低い位置に出す」と聞いたことはありますか? 大切な取引先やクライアント、目上の方に対して敬意を表す意味で、日本人ならではの心遣い、作法でしょう。確かに、相手の名刺より上の位置にならないよう、下へ下へ…… と出す所作は、謙虚で誠実なお人柄が伺い知れます。
では、対する相手が、あなたの名刺よりさらに下に出されたら……? こちらも負けじとその下へ? そしてまた相手がその下へ……。これでは丸でコントになってしまいますので、自分なりにルールを決めておくのがよいかもしれません。
先ずは、目上の方にはマナーとして相手より下に出す。その際、相手も名刺を下げたら、自分はその名刺と同じ高さでストップし、それ以上、低さを争うことはしません。そしてその位置で相手の名刺を受け取ってしまえば、両者引き分けで無事名刺交換が行われた、ということになりますね。