皆様こんにちは、マネックス証券の益嶋です。「目指せ黒帯! 益嶋裕の日本株道場」第18回をお届けいたします。本コラムでは、「これから投資を始めたい」「投資を始めてみたけれどなかなかうまくいかない」といった方向けに、投資家としてレベルアップするためのいろいろな知識をお伝えしていきます。今月もまずは最近のマーケット動向を簡単にご紹介します。

日経平均は2万1,000円を回復も物足りない……?

前回のコラムが掲載された1月26日時点で、日経平均は2万773円でした。その後、少し時間はかかったものの日経平均は2万1,000円の節目を回復するなど順調に上昇しています。ただ、実は日本株の上昇は少し物足りません。というのも、昨年末の株価下落の震源地である米国はもっと大きく上昇しているのです。

このコラムを書いている2月22日時点で日経平均は2万1,425円、ダウ平均は2万6,031ドルです。日経平均が昨年つけた高値は約2万4,300円ですから、現在はまだ高値から10%以上低い水準にあります。一方で、ダウ平均の昨年の高値は約2万6,700ドルです。これはダウ平均の史上最高値なので、もはやダウ平均は史上最高値の更新まで視野に入っている状況です。米国株の力強さに改めて驚くとともに、日本株もうちょっと頑張ってよ! と言いたいところですね。

「ウォーレン・バフェット」が保有する銘柄とは?

さて、今月はその勢いのある米国株に関連してご紹介したいと思います。本コラムでも何度か登場している投資の神様、ウォーレン・バフェット。これまでは彼がどのような投資法を実践しているか、個人投資家にはどのような投資法を勧めているかなどをご紹介してきました。本日は、実際に彼がどのような銘柄を保有しているかをご紹介します。

ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイという投資会社を経営しており、バークシャー・ハサウェイは3カ月に1度保有銘柄を公表しています。厳密にはバフェット以外が選んだ銘柄も含まれていると思われますが、最高経営責任者のバフェットが承認しているということで、バフェットが投資している銘柄としてご説明しても大きな間違いではないでしょう。以下の図は2月半ばに公表された昨年末時点の保有銘柄の保有比率の大きい上位15社です。

  • バークシャー・ハサウェイが投資する銘柄(2008年12月末時点、出展:iBillionaireウェブサイト)

    バークシャー・ハサウェイが投資する銘柄(2008年12月末時点、出展:iBillionaireウェブサイト)

簡単に保有銘柄をご紹介していきましょう。バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの中で最もウェイトが大きいのは、皆様もよくご存知の「アップル」です。バークシャーがアップルを初めて購入したのは2016年と比較的最近なのですが、その後も継続して買い増しを行い、ついにはポートフォリオの第1位を占めるまでになりました。

バフェットは過去に「アップルの株価が下がると嬉しい、より安くあの素晴らしい会社を買えるのだから」とまで述べました。アップルが抱える多くの顧客やそれを支えるブランド力などを絶賛しています。

また、目立つのが金融関連の各社です。バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、ユー・エス・バンコープ、ジェイピーモルガン・チェース、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、ゴールドマン・サックスなどの金融関連の各社が上位にランクインしています。さらに、バークシャーは直近で金融株の多くの買い増しを行っているため、バフェットは金融株に特に強気な見通しを持っているのかもしれません。

その他にはコカ・コーラやクラフト・ハインツなど消費者の生活に密着したブランド力の高い企業にも投資しています。バークシャーは他にも多くの米国企業に投資していますが、図でご紹介した15銘柄がポートフォリオの7割以上を占めています。

バフェットが投資している銘柄の一部をそのままマネして投資することはお勧めできませんが、彼がどういう銘柄を選んでいるのか確認することはきっと皆様の投資の参考になるのではと考えご紹介させていただきました。

今月も最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた次回!

執筆者プロフィール : 益嶋 裕

マネックス証券 マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザー

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。2008年4月にマネックス証券に入社。2013年からアナリスト業務に従事。2017年8月より現職。現在は「日本株銘柄フォーカス」レポートや日々の国内市況の執筆、各種ウェブコンテンツの作成に携わりながら、オンラインセミナーにも出演中。日本証券アナリスト協会検定会員。
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