公道でバイクに乗っているライダーは運転免許の試験に合格しているはずですが、とてもバイクを上手に操り、無事故・無違反・無転倒を何年も続けている人もいれば、何度も事故や転倒をしたり、見ているだけで危なっかしい運転をする人もいます。

また、自分のライディングがほかのライダーからどう思われているのかは意外に分からないもの。今回は、マイナビニュース会員に行ったアンケートから「上手なライダー」と「下手なライダー」の特徴や、同じバイク乗りに対してムッとした経験を紹介します。

■「上手」と「下手」は、こんなところで差が出る

Q.後ろから見ていて「上手だな」「ヘタだな」と思うライダーの特徴を教えてください(自由回答)

【乗車姿勢やメリハリのある動作】

◎上手なライダー
男性/45歳 姿勢がとてもきれい
男性/46歳 乗っている姿が自然
女性/42歳 姿勢がよく、リラックスしている感じ
男性/43歳 体幹にブレがなく、バイクと一体化している

✕下手なライダー
男性/57歳 姿勢が悪い。どちらかに体が傾き左右非対称
女性/56歳 足を開いて乗っているのがきれいに見えない
男性/56歳 メリハリがない、姿勢が悪い、安定感がない
女性/49歳 動作が緩慢

乗車姿勢がきれいで、リラックスして車体と一体化している姿はとても上手に見えますね。極端に着座位置が左右にズレていたり、一つひとつの動きがぎこちない場合、バイクに慣れていない印象を持たれてしまうようです。

【走行ラインや速度の安定感】

◎上手なライダー
女性/55歳 ふらつきが無い運転
女性/35歳 なめらかな運転
男性/55歳 スムーズな運転をしている
男性/51歳 コーナリングの開始から終了まで車体や走行ラインが左右にぶれない。加減速にメリハリがある

✕下手なライダー
女性/55歳 ヨタヨタとバランスが取れてない運転
男性/49歳 車線の左右をふらふらしている
男性/51歳 走行速度が安定していない
男性/48歳 遅い。とろとろ走ってる

ハンドルを切って曲がるクルマと違い、バイクは身体を使うため、ふらつかせずに安定したラインで走るには慣れが必要です。アクセルも微細なコントロールを要するため、一定の速度で巡行できるのは上手なライダーの証拠。フラフラ、ノロノロはとても危なっかしく見られます。

【運転マナーは大事!】

◎上手なライダー
男性/53歳 交通マナーを守っている人
男性/57歳 周りに不快な印象を与えない運転
女性/41歳 安全運転あるのみ、カッコつけない
男性/55歳 ほかのクルマの邪魔にならない適度なコースや、車線変更が行える人

✕下手なライダー
男性/36歳 ウィンカーを出さない
男性/54歳 道の真ん中でゆっくり走るライダー
男性/53歳 ほかのライダーや車がいるのに、急加速、急ハンドルなど転倒のおそれがある行為をしている
男性/55歳 安全な速度を保つのはいいが、後ろの車の視界を邪魔して慢性的な渋滞を発生させているライダー

純粋に「速く走らせる」「自由自在に操ることができる」というテクニックだけでは上手なライダーとはいえませんね。周囲の車両や歩行者に対しても思いやりの心を持ち、マナーのよいライディングができることはとても大切です。

【周囲の安全確認】

◎上手なライダー
男性/49歳 サイドやバックのミラーを目の端っこでとらえている
男性/58歳 車間距離をきちんととり、スムーズな運転。挙動不審なクルマの察知が早い
男性/52歳 自動車の死角に一定時間とどまらない

✕下手なライダー
男性/49歳 自動車の運転手の目線を見ていない
男性/46歳 周りの状況を気にしていない人
男性/51歳 音楽を大音量でかけながら運転している

公道でハンドルを握る人たちの性格はさまざま。そのため、自分が道交法だけを守っていても絶対に安全とは限りません。上手なライダーは油断せずに周囲の状況を把握し、事故リスクを回避するといった能力も備わっています。

【余裕のある落ち着いた走り】

◎上手なライダー
女性/48歳 運転に余裕がある
男性/41歳 とにかく譲る。余裕があるし、見習いたい
男性/50歳 落ち着いている感じがする。やたらオラついてる系はすぐにでも事故りそうで怖い

✕下手なライダー
男性/53歳 やたらと車の間をすり抜ける人
男性/49歳 車線を変えてばかりいる人
男性/43歳 原付に多いが、車の隙間をすり抜けて走り抜ける危険行為をしてる人

バイクはすり抜けができますが、走っている車両を縫うようにしたり、車線を頻繁に変えて先へ先へと急ぐのは周囲の車両を驚かせてしまいます。ひどい渋滞時は仕方ないかもしれませんが、すり抜けはできるだけ控え、落ち着いた走りを心がけることが大事でしょう。

【スムーズな操作やブレーキング】

◎上手なライダー
男性/46歳 ブレーキの掛け方が抜群にうまい
男性/26歳 シフトチェンジがうまい
男性/55歳 カーブを曲がるとき、適度なスピードでスムーズに曲がれる人

✕下手なライダー】
女性/35歳 ブレーキのタイミングがおかしい人です
女性/46歳 ブレーキタイミングが遅すぎる、急すぎる
男性/59歳 やたらブレーキをかける人。スピード調整とかエンジンブレーキとかうまく使えないと思う

ブレーキは後続車に減速や停止することを知らせるものですが、目の前で頻繁に点灯させられてはとても困ってしまいます。減速のタイミングやブレーキの加減が分らなかったり、適切な速度調整ができないと思われても仕方がありません。

■同じバイク乗りなのに、ムッとしたことは?

Q.ほかのバイクにムッとするときを教えてください(自由回答)

【割り込み・追い抜き・追い越し】

女性/40歳 こちらを見ないで無神経に割り込む
女性/28歳 やたら、すれすれで通る
男性/51歳 後ろから急に加速して抜いていくバイク
男性/58歳 車線を変更するためにウインカーを上げても入れてくれない

車幅の狭いバイクは同一車線上で追い抜かれることもありますが、すれすれで急加速して抜かれると驚いてしまいます。また、割り込む側としては、車線変更でウィンカーを出しても入れてくれない、という意見もありました。

【あおり運転】

女性/46歳 スピードが遅いと怒ってあおってくる
男性/56歳 後方にピタリと接近してくる
男性/41歳 車間距離かな。適度に離してほしい

あおり運転はクルマだけでなくバイク間でも発生します。昔から朝夕の通勤・通学ラッシュ時のほか、ワインディングでもかなりあったはずです。サーキットではないので、こういったことはすべきではないでしょう。

【フライングでスタート】

男性/53歳 信号待ちで、まだ赤なのにフライング発進する人
男性/52歳 交差点で前に出られるとムカつく
男性/53歳 常に先頭を走りたがる様子

信号待ちをしている際、路肩からスルスルと先頭まで出てきて、信号が変わる前に発進してしまうバイクもいます。もちろんこれは「信号無視」。バイクとその世界を愛するライダーが行う行為ではありませんね。

【音がうるさい】

男性/43歳 無駄に信号待ちでアクセルをふかしてるライダー
男性/56歳 変な改造で、音が大きいだけではなく、異様な爆音で走行
男性/55歳 カスタムするのはいいが、周りの環境に非常に迷惑をかけるバイクはむかつきます

昔は『社外マフラーに交換しないとカッコ悪い』という時代もありましたが、現在は音量の大きいだけのマフラーは同じバイク乗りにも嫌われます。乗っている本人にしてみれば良い音でも、他人からすればただの騒音になってしまいます。

【そのほか】

男性/45歳 ゴミを捨てる
男性/41歳 勝手に競争をしかけてくるヤツ
男性/57歳 集団の千鳥走行で車線をふさぎ、後続車を行かせないやつら

ゴミ捨てなどは論外ですが、十台以上の長い車列でツーリングをしている集団もいます。暴走族ではなくても、ほかのバイクにしてみれば厄介な存在に思われるようです。有名なクラブの場合、自分たちやバイクのイメージを悪くさせないため、少数のグループに分けて走行しています。

■上手なライダーの理想形は、やはりあの人たち?

アンケート回答者の多くが「上手なライダー」だと思う特長は、「きれいで自然な乗車姿勢」、「安定した走行ラインとスピード調整」、「運転マナーや周囲の安全確認」という意見が多くを占めました。

もうお分かりだと思いますが、これは“公道走行のプロ”である白バイ隊員が見せるライディングそのものですね。彼らには厳しい訓練で鍛えたテクニックという下地もあり、それは一般のライダーには真似できないものですが、公道で見せる姿は素晴らしいお手本といえるでしょう。

どんな人でも初心者のうちは慎重だったはずですが、経験を積むうちに我流のライディングになってしまいます。それが度を越してしまうと、自分では普通だと思っていても、周囲のクルマのドライバーだけなく、ほかのライダーからも「危険で下手」と思われてしまうこともあるようです。

ライダーによってスキルの差はバラバラですが、やはり同じバイク乗り同士、お互いが不快な気持ちにならないように気をつかえる「心の余裕」が大事かもしれませんね。


調査時期: 2022年11月10日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1010人
調査方法: インターネットログイン式アンケート