コロナ禍では“密を防げる移動手段”としてバイクの人気が高まりました。新たに免許を取って乗る人だけでなく、若い頃に乗っていた中高年のリターンライダーもずいぶん増えたようです。

2022年のゴールデンウィークは3年ぶりに行動制限のない大型連休となり、行楽地は多くの観光客で賑わいましたが、気兼ねすることなく遠距離のツーリングを楽しんだ方も多かったのではないでしょうか。感染状況によっては再び行動制限が求められる可能性もありますので、感染予防を心がけつつ、ツーリングを楽しみたいものですね。

今回から、マイナビ会員の1,000人のライダーがおすすめする各地のツーリングスポット5選を連載でご紹介。今回は神奈川編です。

【1】箱根

神奈川県を代表する観光地「箱根」は、毎年たくさんのライダーが訪れる関東屈指のツーリングスポットです。「箱根神社」や「大涌谷」といった名所のほか、緑豊かな庭園をもつ美術館や多数の宿や温泉などが無数にありますが、「箱根／芦ノ湖スカイライン」や「椿ライン」などのワインディングも多数あり、走るのが大好きな人にとってはたまらないでしょう。

  • 芦ノ湖スカイライン ※画像はイメージです

小田原からダイナミックな景色を見ながら駆け上がる「箱根ターンパイク」はコーナーも緩やかで走りやすいのですが、スピードの出し過ぎには要注意。頂上にある「大観山スカイラウンジ」では富士山や芦ノ湖を一望できるほか、メーカーやショップが主催する試乗会などのイベントも開催されています。

【2】湘南

「箱根」のようなワインディングはないものの、国道134号線で優雅に潮風を受けながら走りたいなら、「湘南海岸」もおすすめです。厳密にどこからどこまでが「湘南」とは決まっていませんが、有名なのは「江の島」ですね。バイクは駐輪場に止めて、江の島周辺の観光スポットを歩いて回るのもよいでしょう。島内には無料の駐輪スペースもありますが、ここは未舗装なので注意も必要です。

  • 江ノ島 ※画像はイメージです

「江の島」から東に走れば「稲村ケ崎」や「材木座」といった、いかにも“湘南の海”を象徴する海水浴場が見えてくるでしょう。そこから北に行けば多くの観光客でにぎわう「鎌倉」、国道134号線沿いに走ればマリーナのある「逗子」や「葉山」を抜け、三浦半島西側に到達します。海水浴シーズンの「江の島」周辺は大渋滞しますが、こちらは比較的空いているため穴場的なスポットかもしれません。

【3】横浜

横浜港周辺では「ベイブリッジ」や「赤レンガ倉庫」、「山下公園」、「中華街」など、あらゆる商業施設があるので退屈はしません。大観覧車「コスモクロック21」が象徴的な「よこはまコスモワールド」のほか、「横浜ワールドポーターズ」や「横浜ランドマークタワー」周辺のショッピングモールもあります。これらを一望できる「大さん橋」からの夜景も美しいので、カップルやナイトツーリングにもおすすめです。

  • 赤レンガ倉庫周辺 ※画像はイメージです

横浜港から少し離れた本牧ふ頭の「横浜シンボルタワー」も、関東周辺のライダーがショートツーリングによく行くスポットです。飲食ができる施設はあまりありませんが、広々とした芝生が広がり、タワーの展望室からは東京湾を航行する大型船舶を間近に見ることができます。

【4】宮ケ瀬・丹沢

神奈川県の北西部では「宮ケ瀬」と「丹沢」が有名です。「宮ケ瀬」は都内からもアクセスしやすいため、休日には宮ケ瀬湖を見下ろす「鳥居原ふれあいの館」の駐車場にたくさんバイク好きが集まります。徒歩でゆるやかな階段を降りれば、のんびりとした湖畔の景観も楽しめるでしょう。ここは「道志みち」や「ヤビツ峠」にもつながるため、ワインディングが好きなライダーにも人気のスポットです。

  • 宮ケ瀬 ※画像はイメージです

「丹沢」はかつては未舗装林道が多くあり、関東の秘境としてオフロードライダーに人気の場所でした。現在は舗装化や車両の進入が禁止されてしまいましたが、それでも見どころはたくさあります。いくつもの橋を渡りながら湖畔を一周しながら望む富士山も絶景。推定樹齢2,000年以上の「中川の箒杉」も必見でしょう。

【5】横須賀・三浦

横須賀東部・米軍基地近くでは、多くの軍艦を眺めることができる「ヴェルニー公園」や「戦艦三笠」のほか、「どぶ板通り」では米軍基地周辺が持つ独特の雰囲気を満喫できます。基地内を開放する「フレンドシップデー」や、船で横須賀の軍港巡りのほか、太平洋戦争中の要塞跡が残る「猿島」に渡ることもできるため、ミリタリー好きライダーにはたまらないスポットでしょう。そこから少し南下すれば、日本最初の洋式燈台として有名な「観音崎」があります。

  • 三浦海岸沿い ※画像はイメージです

横須賀東部から穏やかな内海の「三浦海岸」を左手に見ながら国道134号線を南下すると「三崎」や「城ケ島」にたどり着きます。「三崎」といえばマグロが有名ですが、漁港周辺の施設や飲食店では、マグロ以外にもさまざまな魚介の味を楽しめるでしょう。

そのほか、おすすめのツーリングスポット

神奈川県は都内で働く人たちのベッドタウンでもあるため、どうしても都市部に乗り入れる鉄道や道路の沿線は住宅地が多くなります。そのため、ワインディングやクルージングなどのように“バイクを走らせて楽しめるスポット”は、県の西側の「箱根」や「丹沢」などの山間部や、南東の「湘南」、「三浦」といった郊外の沿岸部に限られてしまいます。

これらの場所は都心から日帰りで行ける観光地として休日は混雑するのですが、そこから少し外れた場所にも魅力的なスポットが多数あります。例えば、箱根の下の「小田原」や「真鶴」、「湯河原」でも、美味しい海鮮料理や温泉を満喫できるでしょう。北側の「足柄峠」などは有名な「箱根」に比べれば道は比較的空いています。こういった“自分だけが知っている穴場”を開拓するのも楽しいですね。

まとめ

神奈川県東部の「横浜」には「みなとみらい」をはじめとした観光施設が充実し、港のある先進的な都市の魅力を満喫できるスポットがあります。夜景も美しいので、ナイトツーリングも楽しいはず。ただ、純粋にバイクの“走り”を楽しみたいライダーなら、やはり低速から高速まで多種多様なワインディングのある「箱根」が一番でしょう。

「箱根」に行くには、湘南海岸を通った「小田原」から登る道と、静岡の「御殿場」や「三島」からのルートがあります。丸1日かけて「箱根」をたっぷり満喫するもよいですし、スポットを絞って「伊豆」や「富士山」のツーリングに組み込むのもおすすめです。

調査時期: 2022年4月7日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1,000人
調査方法: インターネットログイン式アンケート