頑丈なボディやエアバッグで守られたクルマと違い、ライダーが剥き身で走らせるバイクは転倒や事故時のリスクが大きな乗物。そのリスクと引き換えに「開放感」や「爽快感」があり、気温の穏やかな春や秋のツーリングは最高の気分を味わえます。
しかし冬になると、あれほど心地よかった走行風は身体の体温を奪い、長時間の走行は苦行へと変わります。寒さで身体が思うように動かなくなり、路面のグリップも低下するため危険度はさらにアップ。しかし、それでも真冬のツーリングを楽しむバイク好きや、ひどい雪でも降らない限りは通勤・通学に利用する人たちもいます。
今回は、マイナビニュース会員のバイク乗りに行ったアンケートから「冬に行きがちなツーリングスポット」を紹介します。
二輪免許とバイクの所持率は?
まずは、マイナビニュース会員の「自動二輪免許の所持率」と「免許所持者のバイク所有率」を紹介しましょう。
Q.あなたは自動二輪免許を持っていますか? (n=713)
はい―――47.1%
いいえ ―――52.9%
Q.現在、バイクを持っている、もしくは持っていましたか?(n=336)
はい―――86.3%
いいえ―――13.7%
アンケートの結果では、回答された方の約半数が自動二輪免許を所持しており、その中でバイクを持っている、または過去に持っていた方は約9割にも及んでいます。中高年の場合、過去のバイクブーム時に免許を取得した方も多いのではないでしょうか?
寒い冬に行くツーリングスポットは?
寒い冬の時期でもツーリングを楽しむ人たちは少なくありませんが、冬の時期は行く場所が変わったりするのでしょうか? また、具体的にどんなところに行くのでしょうか?
Q.冬にはツーリングスポットが変わったりすることはありますか?
はい―――79.0%
いいえ―――21.0%
Q.どのような場所へ行くようになるのでしょうか?(自由回答)
■やっぱり海が好き!
男性/34歳
山には行かずに海に行きます男性/53歳
内房の海岸沿いに止めて、天気が良ければ富士山が眺めます男性/50歳
暖かい海の近くで、景観の良い場所を選びがちです男性/65歳
雪があまり降らない海岸方面男性/32歳
路面や気温が低い場所は極力避け、温暖な海岸エリアに行くことが多い
海はバイクツーリングの目的地として人気のスポット。冬は泳げなくても、大きな海原を見ているだけで感動が沸き上がってくるのではないでしょうか。また、冬の海鮮は脂も乗っていてとても美味。風が強い時は大変ですが、太平洋側は意外に波も穏やかで、内陸部よりも暖かかったりします。
■海はイヤ! 絶対行かない!!
男性/54歳
海岸沿いは行かない男性/63歳
海岸沿いをクルージングなどありえない。どっちかと言うと山道や街乗りが増えるかな女性/46歳
浜風が体にキツイので海沿いら避けるようになりがち男性/50歳
海沿いの寒そうで風が強いところは避ける男性/67歳
山とか海とかの寒々としたところには行きたくなくなる
『絶対、海には行かない!』という人たちも多くいますが、これは東北や日本海側など、とても寒さが厳しい場所だと思われます。比較的暖かい太平洋側と違い、冬の日本海は海側から冷たい強風が吹きつけて波も高くなるため、行く場合はかなり覚悟をしたほうがよさそうです…。
■寒いから目指すは温泉でしょ?
男性/39歳
雪が少ない温泉地男性/61歳
暖かい温泉に浸かりに行くことが多くなる男性/31歳
有名な温泉地に行くことが増える女性/52歳
温泉のあるところや、鍋料理など温かい食べ物がある店男性/52歳
お得なスパを事前に調べて、あちこちスパ巡りをする
厳しい寒さに耐えてツーリングするのだから、目的地にたどり着いたら熱いくらいの温泉に浸かって身体を癒したいもの。しかし、日帰りの場合は湯冷めをしてしまうことも少なくありません。やはり理想は一泊して現地のグルメも堪能したいところですね。
■寒そうな所は避ける、都市部や近場で済ませる
男性/59歳
雪道や凍結の恐れがあるフリーウェイは使わなくなった男性/59歳
太平洋側、特に伊豆男性/61歳
いつもツーリングしている東北方面には行かず、静岡に行くようになる男性/35歳
基本的に遠出の頻度が少なくなり、近場の街中ツーリングが多くなります男性/26歳
長時間のライディングがしんどくなるので、すぐ帰れるように近場で済ませる
冬のツーリングは寒いだけでなく、路面のグリップが低下してスリップしやすくなるというリスクも高まります。転んでしまっては楽しいはずのツーリングも台無し。降雪や凍結の少なさそうな場所や、天気が変わってもすぐに帰れる近場で済ませる人が多いのも頷けます。
■あえて寒い所に挑む!
男性/43歳
冬にしか見られない景色の良いところです男性/37歳
誰も来ない未開の地探しがち男性/45歳
やっぱり、あえて寒いところに行きたくなる男性/49歳
雪が降らない限り、ツーリングはしますからね!男性/42歳
雪が積もった山の麓
『こんな時期だからこそ、あえて寒い所に行く!』という強者たちもいるようです。冬の空気は湿度も低く澄み切っているため、遠くの景色も鮮明に見ることもできます。雪山登山ほど過酷ではありませんが、ちょっとした冒険気分も味わえるのではないでしょうか。
冬のツーリングは記憶に残る冒険ツアー
温かいエアコンが装備されたクルマと違い、バイク乗りにとって冬の走行は快適とはいえません。そこに雨でも降ろうものなら“泣きっ面に蜂”。寒さと分厚い防寒着のせいで身体も動きにくくなり、路面も滑りやすくなるので事故や転倒の危険性も高まります。
それでも負けずにバイクを走らせる人たちがいます。『よりによって何でこんな時期に…』と思う方もいるかもしれませんが、冬のツーリングにはほかの季節では味わえない魅力があるのも事実。観光地は比較的空いており、冬の大気は湿度も低いため、はるか遠くまでクリアになった素晴らしい景色を見ることができます。自分なりに工夫した防寒対策を試すという楽しみ方もありますね。
また、ツーリングを趣味としているベテランライダーでも、苦労が多かったツーリングほど強く記憶に残り、後々まで『あの時は大変だったけど面白かったね!』と仲間内で話題に上がります。逆に何のトラブルもなく、快適だったツーリングの方が記憶があいまいだったりするようです。
バイクは趣味性の高い乗物であり、ツーリングに行かなくても生活に困る人はほとんどいません。しかし、バイク乗りという人たちは、日常の退屈さやストレスを発散するため、多少の苦労やリスクを負ってまで“非日常的な刺激”を求めるもの。ちょっとした冒険気分を味わえる冬のツーリングは、後々に最高の思い出になるかもしれません。
次回は「冬の"危険な"バイク乗りあるある(前編)」を紹介します。
調査時期: 2021年10月15日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 714人
調査方法: インターネットログイン式アンケート